1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10306015
|
Research Institution | KINKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
長谷川 高士 近畿大学, 農学部, 教授 (40026448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜口 俊雄 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90263128)
村上 章 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (80157742)
奥村 博司 近畿大学, 農学部, 助教授 (70152436)
|
Keywords | 地下ダム / 画像解析 / 物質移動 / 可視化 / 地下水汚染 / 浸透流 / せん断帯 / 局所化 |
Research Abstract |
本年度は、農用地の利用状況と地盤の工学的特性について現地調査及びリモートセンシングなどの手法によって地表状況の分析を行うとともに、その基本特性について模型実験や数値解析による検討を行った。地下ダム堤体越流現象についての考察を模型実験装置で行った。模型実験では、細かなガラスビーズを用いて比較的間隙の大きな構造の地盤を表現した。実験装置の仕様を記すと、つぎのようである。枠組みは透明なアクリル製水槽とし、断面二次元流を実現した。地下水盆の不透水性基盤層の模型として、側面が何重ものゴムシールによって遮水されたアクリル製の傾斜板を設置し、あわせてその面上に薄いゴムシートを乗せて堤体模型との密接度を高め、堤体まわりの遮水性向上につとめた。基盤面の傾斜角はある程度任意に設定できるものとした。地下ダム堤体模型について、アクリル板のまわりにゴムシーリングを施し、それが鉛直に自立するように傾斜面上に設置した。上流部境界は所望の流入量が与えられるような制御システムを有し、下流部の境界は定水位が保てる構造を有している。さらに、下流端から流出した水は一旦貯水タンクに蓄積され、そこからポンプアップされて上流部の給水タンクに移動し、その後再び流量制御システムによって装置に送り込まれるという循環システムを採用した。こうした模型実験装置を用いた地下ダム貯留域の地下水浸透実験を行い、流況を高速ビデオにより非接触で観察した。この録画像を主要設備備品である画像処理装置の入力データとし、地下水流れの解析を行った。 数値解析については、地下ダム貯留域における地下水位分布をクリッギングにより推定した。物質移動解析についてもいくつかの結果を得はじめている。一方、アルミ棒積層体について、既存の設備備品を用いた落し戸実験も併せて行い、粒子集合体の変位挙動や空隙の変化を、画像処理装置により子細に検討した。
|
-
[Publications] 村上章: "粒状体におけるせん断帯の形成と渦運動の関係"農業土木学会論文集. 201. 21-31 (1999)
-
[Publications] 村上章: "Inverse analysis of a soft soil foundation based on test embankment measurements"Pre-failure Deformation of Geomaterials. 1. 873-876 (1999)
-
[Publications] 浜口俊雄: "最適統計モデルによる地下水位分布のクリッギング推定"農業土木学会論文集(発表予定).
-
[Publications] 村上章: "粒状体のせん断過程における間隙の変化"応用力学論文集. 2. 413-417 (1999)
-
[Publications] 浜口俊雄: "地下水貯留域の最適推定において多変量統計モデルから生じる相互相関的補間効果"第44回地盤工学シンポジウム論文集. 1. 19-24 (1999)
-
[Publications] 村上章: "落し戸受働モードに対するCL-CA解析とアルミ棒積層体実験"第44回地盤工学シンポジウム論文集. 1. 153-156 (1999)
-
[Publications] 村上章: "土木工学における逆問題入門"土木学会・丸善. 150 (2000)