2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体のストレス応答と適応機構の解析-活性酸素種の生成・消去系からの検討-
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10307009
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
菅原 和夫 弘前大学, 医学部, 教授 (80136788)
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Keywords | 運動 / ストレス / 好中球 / 単球 / サイトカイン / インターロイキン / 活性酸素 / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
昨年、マラソンレースのような過酷な運動負荷では、インターロイキン6・8や顆粒球コロニー刺激因子のような好中球をプライミングするサイトカインの血中濃度が上昇することを報告した(Suzuki et al.2000)。今年度は尿中濃度の測定も含めさらに詳細な検討を行い、まず好中球活性化の指標である脱顆粒物質(ミエロペルオキシダーゼ・ラクトフェリン)の血中・尿中濃度の著明な上昇からin vivoで好中球が活性化されていることを証明し、上記サイトカインの血中・尿中濃度上昇も再現できた。さらにマクロファージコロニー刺激因子、マクロファージ遊走ペプチド1等の単球・マクロファージ系をプライミングするサイトカインも血中・尿中で増加することも明らかにした。一方、我々が開発・改良した96穴マイクロプレートを用いた化学発光測定装置で多面的検討を行ったところ、マラソンレース後の血漿では、in vitroで好中球・単球が産生した活性酸素を消去する抗酸化活性が上昇していた。原因と考えられる血中の抗酸化物質を検索したところ、ビタミンCの血中濃度がレース後に2倍以上上昇しており、運動中に産生される活性酸素を消去する一つの適応機構として働いているものと推察された。以上の知見は、5th International Society for Exercise and Immunology Symposium(米国Baltimore、2001年5月29日開催)の学会発表演題として受理された(Suzuki et al.in press)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suzuki-K,Yamada-M,Kurakake-S,Okamura-N,Yamaya-K, Liu-Q, Kudoh-S,Kowatari-K,Nakaji-S,Sugawara-K.: "Circulating cytokines and hormones with immunosuppressive but neutrophil-priming potentials rise after endurance exercise in humans."European Journal of Applied Physiology. 81. 81-287 (2000)
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[Publications] Suzuki-K,Yamada-M,Liu-Q,Kurakake-S,Okamura-N,Umeda-T,Shimoyama-T,Nakaji-S,Sugawara-K.: "Exercise-induced humoral modulation of phagocytes by cytokines and antioxidants."Medicine and Science in Sports and Exercise. Suppl(in press). (2001)