1999 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植におけるリンパ球アポトーシス導入による免疫寛容の誘導
Project/Area Number |
10307029
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
阿岸 鉄三 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70090660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雄一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80231348)
君川 正昭 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70204964)
寺岡 慧 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20147383)
石井 保夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80318039)
廣谷 紗千子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70211513)
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Keywords | 臓器移植 / 免疫寛容 / リンパ球アポトーシス / 腎移植 / 骨髄移植 / 末梢血幹細胞移植 |
Research Abstract |
平成10年度および11年度前半はBusulfan,FTY投与による前処置を施した後ドナー骨髄移植を併用した腎移植を施行し、リンパ球アポトーシス導入による免疫寛容の誘導を試みた。初期2例にはBusulfanを手術7日前から4日前まで4日間連続4mg/kg/dayで投与し、FTYを手術3日前から1日前まで3日間連続5mg/kg/dayで投与した。しかし骨髄抑制が強すぎたため、いずれも極端な氾血球減少症に陥り、1例目は手術後17日で敗血症により死亡した。そこで次からはFTYの投与法は変更せずに、Busulfanを3mg/kg/day3日間に減量して腎移植を行ったが、今度は十分な骨髄抑制が得られず、ドナー骨髄の生着も認められず全例拒絶された。 そこで平成11年度後半はプロトコールを変更して再度免疫寛容の誘導を試みることにした。変更の第1点はBusulfanに代えてCyclophosphamideを骨髄抑制ならびに免疫抑制効果を期待して投与したこと、第2点は骨髄採取法を変更したことである。これまで骨髄細胞はドナーの腸骨から直接穿刺により得ていたが、近年骨髄移植の臨床で盛んに試みられるようになってきた末梢血幹細胞移植と同様に、術前5日間ドナーに対してG-CSFを投与した後アフェレーシスを行ってドナー末梢血幹細胞を採取する方法に変更したことである。その結果より多くの骨髄細胞が採取され、現在までのところどの症例も拒絶反応は認められず、免疫抑制剤中止後1例目は120日以上、2例目も90日以上生存し、移植腎機能も正常に機能している。今後はMLRによるドナー特異的無反応状態となっていることの確認や、ドナー、第3者の皮膚移植を行うことにより、ドナー特異的免疫寛容の確認をする予定である。
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