1999 Fiscal Year Annual Research Report
老人性難聴関連遺伝子の遺伝子工学・分子生物学的研究とその臨床応用
Project/Area Number |
10307039
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高坂 知節 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 猛史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40241608)
川瀬 哲明 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50169728)
池田 勝久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70159614)
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Keywords | ノックアウトマウス / Brain-4 / コネキシン26 / 内リンパ静止電位 / 遺伝性難聴 / 老化 / DNA異常 |
Research Abstract |
1)Brain-4の標的遺伝子組換え法よる欠失変異体マウスの聴性脳幹反応(ABR)では、野生型マウスのABR波形や閾値は正常であった。一方、Brain-4欠失変異ホモ接合マウスでは高度の難聴を呈していた。さらに、難聴の機序を検索するために内リンパ静止電位(EP)の測定を試みると、野生型マウスではEPは85から115mV(n=9)であり、ホモ変異体マウスでは36から52mV(n=6)と明らかなEPの底下を認めた。野生型では、線維細胞は形質膜の無数の襞を伴う高度に屈折した形を呈しており、細胞質には豊富なミトコンドリアを認めた。一方、変異体では形質膜の襞の減少、細胞質内のミトコンドリアの減少・細胞質の容積の減少が認められ、変性過程を示唆した。Brn-4変異体で認められた線維細胞の変性によって血管条へのK^+イオンの供給が阻害され、EPの形成に異常が生じたと推定される。 2)線維細胞によるK^+イオンのrecyclingの通路であるギャップ結合蛋白のコネキシン26の遺伝子(GJB2)の異常を日本人の難聴患者で同定した。先天性難聴者39人の内、5人に遺伝子変異を認めた。3人は1塩基欠失235delCのhomoで、1人が1塩基欠失235delCと16塩基欠失176-191del(16)のhetero、1人が16塩基欠失176-191del(16)と終止コドン408c>aのheteroだった。聴力正常者200人において、235delCを2人に、176-191del(16)を1人にheteroで認めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kudo et al.: "New Common mutations in the GJB 2"Am J Med Genet. 90. 141-145 (2000)
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[Publications] Minowa et al.: "Altered cochlear fibrocytes in a mouse model"Science. 285. 1408-1411 (1999)
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[Publications] Oshima et al.: "Hearing loss with a mitochondrial gene"Laryngoscope. 109. 334-338 (1999)
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[Publications] Goto et al.: "Expression and localization of the Na^+-H^+ exchanger"Hear Res. 128. 89-96 (1999)
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[Publications] Hirano et al.: "Prognosis of sudden deafness"ANL. 26. 111-115 (1999)
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[Publications] Ogura et al.: "Profound Hearing Loss Attributable to cochlear Nerve"Laryngoscope. 109. 1820-1824 (1999)