2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋代謝能におよぼすトレーニング効果と機序の解明
Project/Area Number |
10308001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
芳賀 脩光 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80093102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
中山 淑 上智大学, 理工学部, 教授 (00053653)
大野 秀樹 杏林大学, 医学部・衛生学, 教授 (00133819)
武政 徹 筑波大学, 体育科学系, 講師 (50236501)
浜岡 隆文 東京医科大学, 医学部, 講師 (70266518)
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Keywords | 骨格筋代謝能 / 近赤外分光法 / 筋生検 / 筋組織 / 抗酸化酵素 / トレーニング効果 / 分子遺伝学 / カルシニューリン |
Research Abstract |
平成13年度における研究実績の概要は以下の通りである。 1.本研究の一部は持久性トレーニングが骨格筋のタイプII線維(速筋)からタイプI(遅筋)へ移行するかどうか、すなわち、遅筋化への影響についてカルシニューリン伝達経路およびそれに関連する転写因子(NFAT)について検討を加えた。 その結果、NFAT mRNAは増加を示し、カルシニューリンmRNAも同様の傾向にあった。また、トレーニングの期間が大きく影響することが示唆された。 この部分の研究は「Effects of acute physical exerecise on gene expression in the calcineurin signaling pahtway in human sikeletal muscle」として論文執筆中である。 2.本研究の一部は持久的トレーニングによって骨格筋内の血管新生因子、抗酸化酵素、脱共役蛋白質(UCP)等のmRNAレベルでの変化を検討した。その結果、熱ショック蛋白質(HSP70)、銅-亜鉛スーパーオキサイドジスムターゼ、マンガンスーパーオキサイドジスムターゼ、UCP2のmRNAに増加がみられた。この内容は論文「Transcriptional regulation on of gene expression in human skeletal muscle response to endurance training」として執筆中である。 3.本研究の一部は高強度持久性トレーニングによる影響を好中球0_2^-産生赤血球膜への酸化障害、および赤血球中の抗酸化酵素活性の点から検討した。 その結果、持久性トレーニングは上昇する好中球を軽減し、同時に脂質過酸化の増大を抑制する。これは持久性トレーニングによって細胞内、細胞外における抗酸化防御機構の改善、ROS産生の軽減を反映することが示唆される。 この部分の研究は「Mechanical injury of running exercise and free radical production」としてJAPに投稿予定である。 4.本研究の一部は「中高年のトレッドミル歩行時における筋内酸素動態」について検討した。その結果、運動耐用能が低い中高年者においては無酸素的作業閾値近傍で歩行を中止し、その時点での筋肉酸素はまだ十分満たされている状態にある。しかし、運動耐容態が高い場合、筋内酸素が少なくなってくる状態でも歩行が可能であり、無酸素的作業閾値を超え、その人の80%HRreserveまで可能である。この論文は「脈管学」へ投稿中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiromi Miyazaki: "Strenuous endurance training in humans reduces oxidative stress following exhausting exercise"European Journal of Applied Physiology. 84(1-2). 1-6 (2001)
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[Publications] 會田文夫: "筋組成および筋酸素化レベルに及ぼす筋レジスタンストレーニングの影響"Therapeutic Research. 22(9). 1975-1980 (2001)