微量海産生物活性天然物を対象とする有機合成化学の新展開

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10308027
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 村井 章夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20000838)
• Keywords: 中員環エーテル / 環状ポリエーテル / シガトキシン / 全合成 / エポキシアルコール / ランタントリフレート / 生合成 / 超微量海産毒

Research Abstract

1。海産環状ポリエーテル天然物の生合成を規範とした合成経路の確立
当研究室で開発されたエポキシアルコールのランタントリフレートによる触媒的閉環反応を応用し、トリエポキシアルコールから3環性トランス縮環型エーテルをone-potで構築することに成功した。これは生合成推定経路に基づく連続閉環反応の初めての例である。また本反応が酸触媒下、段階的に進行することが示唆された。
2。縮環型多環性エーテルの新しい効率的構築法の開発
海産超微量毒として名高い極めて複雑な構造を有するポリエーテル天然物シガトキシンの全合成の展開上、昨年度に確立した収束型合成方法論を超える短工程(4工程)での効率的方法論を確立することができた。この方法は汎用性が高く、現段階で知る限りの最上の方法と思われる。
3。シガトキシンの全合成研究
海産超微量毒の中で代表的なシガトキシンは13環を有する巨大分子である。その全合成研究の一環としてヒドロホウ素化と閉環メタセシスの組み合わせによるAB環モデルの構築、ABCD環に相当する飽和6-7-7-6環エーテルおよびJK環部の高立体選択的構築、さらには二重結合を2個有するCDE環部を視野に入れた環連結法の開発等を確立した。

Research Products

• [Publications] K. Fujiwara: "Total Synthesis of (+)-Obtusenyne"J. Org. Chem.. 64・8. 2616-2617 (1999)
• [Publications] T. Sugimoto: "Synthesis of the B,C,D,E,F-Ring Fragment of Pinnatoxins"Synlett. No.5. 541-544 (1999)
• [Publications] D. Awakura: "Determination of the Absolute Configurations of Norte's Obtusenynes by Total Syntheses of (12R,13R)-(-)- and (12S,13R)-(+)-Obtusenynes"Chemistry Lett.. No.6. 461-462 (1999)
• [Publications] K. Fujiwara: "A Simple Convergent Method for the Construction of Fused Tri- and Tetracyclic Ether"Synlett. No.7. 1037-1040 (1999)
• [Publications] L. Barriault: "Synthesis and Biological Evaluation of Analogs of the Marine Toxin Polycavernoside A"Bioorg. Med. Chem. Lett.. No.9. 2069-2072 (1999)
• [Publications] K. Fujiwara: "Four-Step Convergent Synthesis of trans-Fused Tetracyclic Oxane"Tetrahedron Lett.. 41・4. 507-508 (2000)