2001 Fiscal Year Annual Research Report
新奇に見出した1価陽イオンポンプ触媒鎖N端の多重リン酸化のポンプ機構における役割
Project/Area Number |
10308028
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷口 和弥 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 敏明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142177)
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
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Keywords | Na / Kポンプ / H / Kポンプ / リン酸化 / フォスタファーゼ / キナーゼ / オリゴマー |
Research Abstract |
我々は陽イオン輸送ポンプATPase分野で初めてH^+ポンプのCa^<2+>に依存しないTyr-10とTyr-7のリン酸化を発見し、さらにin vivoでのこれらTyr-残基の可逆的リン酸化を証明した。さらに関与する酵素系の同定と共にこれら酵素系が、H^+ポンプ(H/K-ATPase)の触媒鎖付近の膜にうめこまれていることも明らかにした。一方、H^+ポンプの形成するリン酸化酵素には、高濃度ATP存在下ではEPと当モルのATPが結し、EP:EATPが定常状態のH^+-ATPaseの反応中間体として存在することが初めて明らかになった。これら一連の研究でポンプはオリゴマー構造をとり相互のサブユニット間で対話しながらEPとEATPが反応中間体として平行メカニズムでPiを遊離することが明らかになった。更にH^+ポンプへの、化学修飾、リガンド結合の化学量論等は、ポンプが2量体よりむしろ4量体からなることを強く示唆していた。この点を確かめるために、H^+ポンプの1分子観察を試みた。ロータリーシャドウ法による電子顕微鏡観察では、4量体のH^+ポンプの存在が、エヴァネッセント光を用いた、FITC修飾H^+ポンプのFITC蛍光は量子的に4段階で消光され、4量体の存在が示唆された。又Na^+ポンプのATP結合ドメインの特定のLys、Arg残基への変異導入で、みかけの上で2種類存在するATP結合部位の性質が、1個の変異で異なる影響を受けることも明らかになった。これは、P型ポンプの触媒鎖には1個のEP形成部位(リン酸化ドメイン)とATP結合部位(ヌクレオチド結合ドメイン)が同時に存在するとした従来の考えでは説明不可能であり、EPを形成する触媒鎖とATPを結合する触媒鎖が対話しながら同時に存在することを直接示す、P型ポンプ分野における新知見である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M. Kato et. al.: "Effects of high pressure on protein- lipid bilayer membrane system : pressure induced functional and structural changes of the trans-membrane Na^+, K^+-ATPase from pig kidney"E. J. Biochem.. 269. 1-9 (2002)
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[Publications] K. Abe et. al.: "Gastric H/K-ATPase Liberates Two Moles of Pi from One Mole of Phosphoenzyme Formed from a High-Affinity ATP Binding Site and One Mole of Enzyme-Bound ATP at the Low-Affinity Site during Cross-Talk between Catalytic Subunits"Biochemistry.. 41. 2438-2445 (2002)