1999 Fiscal Year Annual Research Report
多因子性ヒト疾患マウスモデルによる疾患原因遺伝子の単離:アトピー性皮膚炎を中心に
Project/Area Number |
10308036
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
米川 博通 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (30142110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多屋 長治 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90175456)
岡本 美恵子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80152354)
前田 幸子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40109947)
烏山 一 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60195013)
吉川 欣亮 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20280787)
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Keywords | ヒト疾患モデルマウス / アトピー性皮膚炎 / 高IgE血症 / NC / Nga / MSM / 近交系マウス / 多因子連鎖解析 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
一昨年度(平成9年度)から作製したNC/Ngaと日本産野生マウス由来の近交系MSMとの戻し交配分離個体系(NC/NgaxMSM)F_lxNC/Nga N_2502頭の全ての個体について6ヵ月間の観察を行い、皮膚炎、および高IgE血症の発症を観察した。このうち、特に強く皮膚炎または高IgE血症を発症した個体と全く発症しなかった個体、合計147頭の戻し交配分離個体から核DNAを抽出・精製し、215種類のマウス全常染色体(19対)、X染色体特異的PCR-SSLPマーカーを使用し、遺伝子タイピングを行った。これらのデータに対して行ったQTL解析の結果、皮膚炎、高IgE血症ともそれぞれに複数の染色体が関与する可能性のあることが統計学的に示唆されたものの、遺伝学的に有意であるという統計学的値が低かった。そこで、今年度はこの状態を打開するため、以下の実験を行った。まず、確実な統計値を得る第一歩として、戻し交配分離個体を572頭にまで増やし、特に強い皮膚炎を発症した個体91頭に付いて、これまでとほぼ同数の216種類のPCR-SSLPマーカーでタイピングを行った。これに加えて、これまで使用していた統計学的方法と原理の異なる方法により、データの解析を行った。その結果、皮膚炎に関してはある1本の染色体上に統計的に有意な1つのQTLを発見した。このことから、我々はアトピー性皮膚炎に関する最も強い(主要な)遺伝子座がこの染色体領域にあると判断した。現在、この染色体領域に存在する発現遺伝子について解析を行い、皮膚炎との関連を調べているところである。
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