1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性を有するタキソール類縁新規化合物の不斉全合成
Project/Area Number |
10354010
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
向山 光昭 東京理科大学, 理学部, 教授 (60016003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 勇 東京理科大学, 理学部, 講師 (40246690)
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Keywords | タキソール / 不斉全合成 / Knoevenagel反応 / α、β-エポキシケトン / サマリウムエノラート / ビスアルドール |
Research Abstract |
タキソールの不斉全合成においてすでに見い出した手法に基づき、18位あるいは19位にヒドロキシ基を有するタキソール類縁体を合成し、これにより水に対する難溶性が課題となっているタキソールの溶解能の向上を図ることを計画した。まず、モデル化合物である8員環状ケトンに対しアセトキシ酢酸メチルのジエノラートを作用させ、タキソールの炭素1位に相当する部位にヒドロキシ基とA環セグメントを導入した。このアセトキシ基はタキソールの炭素18位に相当するので、カルボニル基の還元を行うことにより容易に炭素18位にヒドロキシ基を持つタキソール類縁体に導くことができることが考えられる。現在、炭素1位と2位のヒドロキシ基を架橋保護することによりタキソールAB環部位の前駆体を調製している段階であり、分子内Knoevenagel反応等を利用して双環化合物の効率的な合成法の開発を試みる予定である。 次に、炭素19位にヒドロキシ基を持つタキソール類縁体の合成法として、我々の研究室で聞発されたヨウ化サマリウム(II)を反応促進剤に用いる分子内アルドール反応によって8員環部の構築と一挙にヒドロキシ基を導入することを考えた。すなわち、α、β-エポキシケトン類から調製されるジサマリウムアルコキシエノラートをカルボニル化合物に付加させると目的のヒドロキシ基を有する8員環状化合物が得られる新しい型の反応を開発できるものと考えた。事実、α、β-エポキシケトン類とアルデヒドの混合物に対してヨウ化サマリウム(II)を作用させると対応するビスアルドール体が収率よく得られることが明らかに、なったので、今後この反応を分子内環化反応に適用することで19位にヒドロキシ基を有するタキソール類縁体の8員環部を効率的に調製することが可能になる。さらにこれを最終生成物に導き、タキソールとの生物活性の比較評価を行うことを計画している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Teruaki MUKAIYAMA: "Asymmeteic Total Symthesis of Taxol"Chemistry-a European Jourmal. 5. 121-161 (1999)
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[Publications] Jun SHIBATA: "Diethylaluminum Eyhoxide Mediated Stereoselective Diels-Alder Reaction of α,β-unsaturated Ketones and Acetoxy-1,3-butadienes as Diene Components"Chemistry Letters. 313-314 (1999)
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[Publications] Hayato IWADARE: "Synthesis of 18-Demethyltaxoid via Stereoselective Allylation and Intramolecular Aldol Condensation Reactions"Chemistry Letters. 817-818 (1999)
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[Publications] Teruaki MUKAIYAMA: "Diethylaluminum Eyhoxide Mediated Crossed Aldol Reaction of Enol Esters with Carbonyl Compounds"Chemistry Letters. 951-952 (1999)
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[Publications] Isamu SHIINA: "An Effective Method for the Preparation of Optically Active Polyoxy-8-Memberd Ring Enone Corresponding to B Ring of Taxol"Chemistry Letters. 1145-1146 (1999)
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[Publications] Isamu SHIINA: "A Direct and Selective Syntheses of α,α-Dichloro-and α-Chloro-ethyl Ketones by the Reaction of Alkyl Carboxylates with 1,1-Dichloroethyllithium"Chemistry Letters. 190-191 (2000)