腕時計サイズ超高密度光ディスクにおけるナノメータアクセス機構の開発研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10355008
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 板生 清 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80245985)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 青柳 誠司 関西大学, 工学部・管理工学科, 助教授 (30202493) ; 伊藤 寿浩 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (80262111) ; 保坂 寛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50292892) ; 梅田 和昇 中央大学, 理工学部・精密機械工学科, 助教授 (10266273) ; 大隅 久 中央大学, 理工学部・精密機械工学科, 助教授 (00203779)
• Keywords: 光ディスク / 浮動スライダ / フレキシブル導波路 / 接触ヘッド / 近接型光ヘッド / 2段サーボ / 静電アクチュエータ / トラッキングエラー

Research Abstract

本年度は,R/Wヘッドの光学的,機械的特性,ならびに精密トラッキングに関して以下の成果を得た.
1.R/Wヘッド
レーザ出射用微小開口をもつシリコンヘッドアセンブリを製作した.これに,光の誘導とスライダ支持を兼ねるフレキシブル導波路,ならびに高出力レーザを組合わせ,金属ROM媒体上に浮上させた。最小パターン幅0.8um、帯域数MHzで安定した再生信号を得た。
上記光ヘッドの小型化を狙い、フレキシブル導波路に、スライダ・サスペンションを一体集積した光ヘッドアセンブリを創案し、機械特性検討用のサンプルを試作した。70nmの浮上すきまで安定に動作することを確認した。また,ヘッド・媒体間の光学距離を低減し,高記録密度化することを目的に,潤滑剤をイマージョンオイルとし、動圧発生面の一部に接触パッドを形成した動圧アシスト型接触光ヘンドスライダを創案した.さらに,検出光量の増大を目的に、開口内に金属散乱体を形成した近接型光ヘッドを提案した。シミュレーションにより,出力が2倍程度増大できることを確認した。
2.精密トラッキング制御
ボイスコイルモータ(VCM)を粗動アクチュエータとし,櫛歯型静電MEMSアクチュエータを微動アクチュエータとする2段制御機構を対象に、シミュレーションによりトラッキングエラーを評価した。想定される静電アクチュエータは、共振周波数が目標制御帯域(〜3kHz)に比べて低く、さらに発生力は極板間距離の二乗に反比例する非線形性を有する。これらに対して、微動アクチュエータに対する粗動アクチュエータの加速度成分の補償、非線形補償などを用いて対処した。トラック位置変動が100um,ppの偏心(RRO)成分と、全周波数帯域における100nmの振動からなるとした場合、5kHzの帯域にて最大トラッキングエラー50nmの結果を得た。

Research Products

• [Publications] T.Ohkubo,M.Hashimoto,T.Hirota,K.Itao,T.Niwa,H.Maeda,Y.Mitsuoka,K.Nakajima: "Mechanical Characteristics of an Optical Head Assembly with Visible Light-Wave Guide Flexure"J.Info.Storage Proc.Syst. 2. 1-8 (2000)
• [Publications] K.Tanaka,T.Ohkubo,M.Oumi,Y.Mitsuoka,K.Nakajima,H.Hosaka,K.Itao: "Numerical Simulation on Read-out Characteristics of the Planar Aperture Mounted Head with a Minute Scatterer"International Symposium on Optical Memory (ISOM 2000) Technical Digest. 108-109 (2000)
• [Publications] T.Hirota,Y.Takahashi,T.Ohkubo,H.Hosaka,K.Itao,H.Osumi,Y.Mitsuoka K,Nakajima: "Simulative Experiment on Precise Tracking for High-Density Optical Storage Using a Scanning Near-field Optical Microscopy Tip"Proceedings of ICMA 2000. 327-332 (2000)
• [Publications] T.Ohkubo,K.Tanaka,T.Hirota,K.Itao: "A Novel Approach to Optical First-Surface Recording Based on Thin Film Gas-Lubricated Slider Bearing Technology"the 4 th Pacific Rim Conference on Lasers and Elecrto-Optics (CLEO/Pacific Rim 2001). 発表予定 (2001)
• [Publications] 片岡憲一,CHU Jiaru,前田龍太郎,伊藤寿浩,須賀唯知: "走査型力顕微鏡のための三次元駆動圧電マイクロカンチレバー"精密工学誌. 66,6. 965-969 (2000)
• [Publications] 井手達朗,田中健二,大久保俊文,保坂寛,板生清,大海学,光岡靖幸: "平面微小開口に発現する近接場を用いたサブミクロンビットパターンの再生特性"日本機械学会2000年度年次大会講演論文集. 2. 179-180 (2000)
• [Publications] 板生清: "ウェアラブルへの挑戦"工業調査会. 264 (2001)