超高能率ミリ波導波管スロットアレーの構造の簡易化と量産技術の研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10355017
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 安藤 真 東京工業大学, 工学部, 教授 (90159533)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西川 訓利 豊田中央研究所, 情報通信研究室, 室長 ; 高田 潤一 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (90222083) ; 荒木 純道 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016668) ; 櫻井 仁夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (30016620) ; 広川 二郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00228826)
• Keywords: 同相給電 / 逆相給電 / ビームチルト / 反射抑圧スロットペア / 幅広チョーク構造 / 一層構造導波管アレー / ミリ波ネットワーク・アナライザ / 開口面電磁界分布

Research Abstract

今年度は、今までの基礎研究の結果をもとに、給電導波管を含めた具体的な同相給電型および逆相給電型の2種類のアンテナについて反射抑圧スロットぺアを用いない基本的なスロット配置により(入力反射特性についてはビームチルトにより反射波を抑圧する)、設計周波数25GHz、利得36dB(効率80%)で試作し、性能、製作性、再現性、実用化時の経済性をも含めた実験的な比較検討を行った。その結果、同相給電型アンテナでは放射導波管と放射スロット板の接着が不完全であることによる特性の大幅な劣化が認められたが、逆相給電型アンテナでは特性の劣化は認められず、製作性、実用化時の経済性の優位さが確認され、周波数25GHzにおいて利得35.5dB、効率67%を得ることができた。しかし、給電導波管回路(電力分配回路)及びアンテナ最外周の接着の不完全性は、同相給電型および逆相給電型どちらの場合においてもアンテナの特性に大きく影響することが確認された。そこで新たに、給電導波管回路(電力分配回路)と放射スロット板の接着の不完全性による隙間からの電磁波の漏れを抑制する幅広チョーク構造の研究をはじめ、直線導波管において理論的な解析と試作による実験による検証を行い、その有用性を確認したが定量的な評価にまでは至らなかった。今後は、この幅広チョーク構造の定量的な評価と実際の試作アンテナへの応用について研究を進めていく。また、反射抑圧スロットぺアについても、他のアンテナにおいて、その有効性を実験的に検証中である。さらに、同相給電型の77GHz帯の一層構造導波管アレーアンテナについても、実験的検討を進めている。
ミリ波の測定環境としては、エクステンドEバンド(56〜94GHz)の1パス2ポート(S11,S21)測定が可能なミリ波ベクトルネットワーク・アナライザを購入することにより、今まで不可能であった77GHz帯での高精度なアンテナ給電部の透過/反射特性測定および近傍界測定装置との組み合わせによる開口面電磁界分布測定が可能となった。これにより、測定効率の向上と高精度化が計られ、研究効率が大変向上した。

Research Products

• [Publications] Makoto Ando: "Ncitl Single-Layer Waveguide for High-Efficiency Millimeter Wave Areys" IEEE Tnans.on Microwave Theory and Teclniques. Vol 46,No.6. 792-799 (1998)
• [Publications] Kenji Fukazawa: "Two-Way Power Divider for Partially Parallel feed Single-Layer Slotted Waveguide Arrays" IEICE Trans.Communication. Vol E81-B,No 6. 1248-1254 (1998)