2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10355021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠井 和彦 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10293060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 洋司 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (20323842)
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80205749)
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
田村 哲郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90251660)
翠川 三郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00143652)
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Keywords | 制振構造 / 性能評価 / 性能設計 / 速度依存型 / 変位依存型 / 粘弾性 / 粘性 / 弾塑性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、装置・架構の現実的な制約を考慮して制振構造の性能限界を究明することと、研究代表者提案の簡易な応答予測法を展開して様々な装置・架構を包括する性能評価・設計法を提案することである。 (1)粘弾性材料破壊実験と終局応力・歪の予測 過去2年に行ったアクリル系粘弾性材の実験・解析研究を展開し、粘弾性材の大歪みにおける非線形挙動の詳細な解析モデルを完成した。正弦波加振で0.1〜3.0Hzの4振動数、0〜40度の5温度、歪み振幅10, 50, 100, 200, 300%の5種類の組み合わせによる実験、および地震応答や衝撃応答を模擬したランダム波実験を行い、これら全てにおいて解析が実験を精確に再現できることを実証した。 (2)粘弾性ダンパーを用いた間柱型制振構造の実験・解析および設計法の提案 間柱型制振構造においては、ダンパーを支持している間柱、そして梁、しいては柱の剛性により、構造の変位量とダンパーの変形量の関係が決まり、ブレース型構造に比べ、その制振性能の評価が難しい。これに対し、簡易でしかも厳密な解を与える間柱制振評価法、設計法を開発・提案した。実験や時刻歴解析により、この手法の信頼性は検証済みである。また、この方法は、ブレース型も含み他の制振構造一般に適用でき、制振構造における初めての包括的評価・設計手法として位置づけることができる。 (3)線形・非線形粘性ダンパーを用いた制振構造の解析 粘性力が速度の0.1〜1.0乗に比例する様々な非線形・線形型粘性ダンパーに対し、ダンパー単体、支持材との直列結合体、フレームとの並列結合体にそれぞれ対し、簡便な制振性能評価法を開発・提案した。手法は非線形性の等価線形化に基づくものである。これにより、例えば非線形性の強いダンパーは、小振幅では反力が大きく変形しにくく、よって構造物の減衰も低いままであることなど、今まで時刻歴解析で単にケースバイケースとして示された様々な制振効果の傾向を包括的に説明できる手法が完成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 笠井和彦, 寺本道彦, 大熊潔, 所健: "粘弾性体の温度・振動数・振幅依存を考慮した構成則(その1:線形領域における温度・振動数依存のモデル化)"日本建築学会構造系論文集. 543. 77-86 (2001)
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[Publications] 笠井和彦, 大熊潔: "Kelvin体による線形粘弾性ダンパー簡易モデル化と精度に関する考察(その1:弾性・弾塑性フレームをもつ一質点制振構造の場合)"日本建築学会構造系論文集. 550. 71-78 (2001)
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[Publications] 笠井和彦, 大熊潔: "線形粘弾性ダンパーのKelvinモデル化手法における精度改良に関する考察(外乱振動数成分の粘弾性体特性への影響を考慮したモデル)"構造工学論文集. 48B. 1-9 (2002)
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[Publications] Kasai, K., Watanabe, Y: "〓sco-Elasto-Plastic Damper and Its Performance"Proceedings of US-Japan Workshop on Smart Structures for Improved Seismic Performance in Urban Regions. 101-109 (2001)
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[Publications] Kasai. K.. Ooki, Y.. Suriyamongkol, P., Xu. Y.: "Steel Low-Cycle Relationship between Shear Loading and Axial Loading Cases"Proceedings of US-Japan Seminar on Advanced Stability and Seismicity Concept for Performance-Based Design of Steel and Composite Structures. 1-9 (2001)
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[Publications] Kazuhiko Kasai, Shojiro Motoyui, Yoji Ooki: "Viscoelastic Damper Modeling and Its Application to Dynamic Analysis of Viscoelastically Damped Space Frames"Proceedings of IASS Symposium 2001. (CD-ROM). TP119 (2001)