1998 Fiscal Year Annual Research Report
バリスタやPTCR特性セラミックス薄膜の成膜技術の確立と特性発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
10355025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 惟恭 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇谷 尚樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (40251623)
篠崎 和夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00196388)
舟窪 浩 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90219080)
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Keywords | チタン酸バリウム / 薄膜 / 半導性 / スパッタリング / MOCVD |
Research Abstract |
本年度はBaTiO_3薄膜の半導体化と(Ba,Sr)TiO_3成膜の組成制御性について研究を行った。 RFマグネトロンスパッタリング法による半導性BaTiO_3薄膜の成膜ではLaのドーピング濃度を種々変えたBaTiO_3焼結体をターゲットにして、MgO単結晶基板を用いて基板温度700℃、ガス圧5mtorrで成膜を行った。as-depo薄膜は絶縁体であり、La濃度に対して格子定数が一定またはやや増加する傾向を示した。この薄膜を空気中800℃で加熱処理したが、格子定数はLa全濃度に対して減少したが、ほぼ一定であり、絶縁体であった。これを1000℃、H_2(5%)-N_2中で再熱処理を行ったところ、La0〜3%の範囲で10^2Ω・cmまで抵抗が下がり、その後6%まではほぼ一定であった。これを加熱しながら抵抗を測定すると約400℃まではさらに抵抗が減少し、数Ω・cmになったが、さらに昇温すると逆に高抵抗になり、これを冷却しても元に戻らない。これから、La添加は半導化を促進してはいるが、原子価制御の機能を発揮しているとは考えにくい。 BaTiO_3薄膜をMOCVD法で(001)MgO基板上に800℃で成膜し、H_2/N_2=9/95の雰囲気で800-1350℃で熱処理を行っ た。BaとTiの組成比によって著しい変化を示した。Ti/(Ba+Ti)比が0.48-0.67でBaTiO_3単相のエピタキシャル薄膜が生成し、ほぼ量論組成で10Ω・cmの半導性を示したが、組成がこれからずれると絶縁体になった。 (Ba,Sr)TiO_3薄膜を合成するためのBaとSrの比率を自由に変化させる方法の開発を行った。原料は共にDPM系の液体原料を用いた。Sr原料は蒸気圧が高いので、気化器中で飽和しているのに対して、Ba原料の蒸気圧は低く、非平衡であった。このように気化器中の原料蒸気の状態が初めて判明し、これを用いてBa,Srの比を変える手法の開発が可能になりつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Funakubo,K.Shinozaki,N.Mizutani: "Deposition conditions of SrTiO_3 films on various substrate by CVD and thier dielectric properties." Thin Solid Films. 334. 71-76 (1998)
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[Publications] D.Nagano,H.Funakubo,K.Shinozaki and N.Mizutani: "Electrical Properties and Crystal Structure of Semiconductive Nb-doped BaTiO_3 Thin Film Prepared by MOCVD" Key engineering Materials. 157-158. 167-174 (1999)
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[Publications] D.Nagano,H.Funakubo,K.Shinozaki and N.Mizutani: "Electrical properties of semiconductive Nb-doped BaTiO_3 thin films prepared by metal-organic chemical vapor deposition" Applied Phtsics Letters. 72. 2017-2019 (1998)
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[Publications] N.Mizutani,D.Nagano,H.Funakubo,N.Wakiya,K.Shinozaki: "MOCVD Preparation of BaTiO_3-SrTiO_3 Solid Solution Thin Film" J.Korean Phys.Soc.32. S1336-S1339 (1998)