1999 Fiscal Year Annual Research Report
粉末粒子の自由配列により極低欠陥で超高強度の精密セラミックスを得る高速遠心成形法
Project/Area Number |
10355030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒木 英憲 広島大学, 工学部, 教授 (80037853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕之 広島大学, 工学部, 助手 (90284158)
佐々木 元 広島大学, 工学部, 助教授 (30192595)
篠崎 賢二 広島大学, 工学部, 助教授 (70154218)
深谷 保博 近畿大学, 工学部, 教授 (40268454)
田島 俊造 広島大学, 学校教育部, 助教授 (40136130)
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Keywords | アルミナ / 低欠陥 / 欠陥除去機能 / 成形性 / 沈降 / 着肉速度 |
Research Abstract |
本年度の研究では,様々な条件で成形を行い,成形途中の泥漿挙動を詳細に検討すると共に,泥漿中の粒子の沈降速度と着肉速度の定量的な関係付けを行った.また,浸液透光法によって成形体内部の直接観察を行い,高速遠心成形法の欠陥除去機能におよぼす成形条件と泥漿調節条件の関係を検討した. 得られた結果を以下にまとめる. 1.高速遠心成形法の成形原理は加圧鋳込み成形法のそれと基本的に異なり,高速遠心成形途中の泥漿は,泥漿初期条件や成形条件に関わらず上から上澄み領域,沈降領域,着肉領域の三領域に別れ,沈降領域と着肉領域の境界部分の泥漿濃度は約50vol%となる. 2.上澄み領域の成形速度は粒子の見かけの沈降速度と等価と考えられ,沈降速度Vは泥漿濃度φが増加すると急激に減少し,その関係はV=K(1-φ/0.63)^<0.63n>で表される.ここでKとnはそれぞれ実験係数で,泥漿の調整条件によって変化する. 3.高速遠心成形法の着肉速度は,沈降速度とは対照的に泥漿初期濃度に関わらず一定となる.また,着肉速度はロータ回転数の2乗,粉末の平均粒径の2乗に比例して増加し,定性的にはストークスの沈降式に一致する一方,泥漿調整条件の影響はあまり受けない. 4.粒子の沈降速度式から各濃度における粒子の沈降流束を求め,ここからKynch曲線を作製することが出来る.そして,この曲線の濃度φ=50vol%の部分の傾きから,着肉速度を定量的に予測することが出来る. 5.高速遠心成形法の欠陥除去機能は,着肉速度とは対照的に泥漿の調整条件に大きな影響を受ける.分散剤濃度が過剰で粘度が高い泥漿を使用すると,急激に大量の欠陥が成形体内部に残留するようになる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鈴木裕之: "高速遠心成形法による高純度アルミナの焼結中における気孔組織の変化"粉体および粉末冶金. 45巻. 473-479 (1998)
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[Publications] 鈴木裕之: "高速遠心成形法による高純度アルミナの焼結中における気孔組織の変化の定量的解析"粉体および粉末冶金. 45巻. 1122-1129 (1998)
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[Publications] 鈴木裕之: "高速遠心成形法による高純度アルミナの焼結中の機械的特性の組織依存性"粉体および粉末冶金. 46巻. 331-338 (1999)
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[Publications] H,Y.Suzuki: "Sintered Microstructure and Mechanical Properties of High Purity Alunina Ceramics Made by High-Speed Centrifugal Compaction Process"Key Engineering Materials. 159-160. 187-192 (1999)
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[Publications] H,Y.Suzuki: "Green Compact Defect Removal by High-Speed Centrifugal Compacting"Sintering Technologies 1999,edited by R.M.German,G.L.Messing,and R.G.Cornwall,Plenum Press,New York. (in press).