1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10355031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 勝敏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10026049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮輔 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80179275)
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Keywords | 四塩化チタン / チタン製造 / 製錬 / 溶融塩 / マグネシウム / 微粉末 / 還元反応 / 凝集 |
Research Abstract |
原料として現有生産法であるクロール法が使用する四塩化チタンとマグネシウムを用い、溶融塩の下部から四塩化チタンを導入する反応容器を用いて上層のマグネシウムで還元する。沈降する金属チタンを容器底部から引き出し、溶融塩から分離する。新発案のこの還元法の反応機構を探り、金属チタンの粉末形態、粒度、容器との密着性、特に混入酸素窒素などの不純物を評価しつつ、大型反応装置で還元に必要な装置材質などの最適条件を実験的に決定した。 四塩化チタン漏洩事故回避装置を具備した大型溶融塩用2段温度調節式電気炉を新設し、数百グラム規模の還元実験を可能とした。KCl,NaCl,LiCl等から溶融塩組成を選択することにより溶融塩と還元剤マグネシウム液体を完全に分離することが可能になり、比重差で沈降するチタン粉末の凝集過程を新規に導入した分析機能付き走査型電子顕微鏡により検討した。また容器材料として緻密質MgOを使用したところ、容器付着や重金属汚染がなく、生成するチタンの粉末形態などを定量的に把握できることがわかった。 この結果、クロール法によるチタン粉径に比べ約1/10の微粉末が集合した形態であることが判明し、還元反応の主たる機構は溶融塩内に溶解しているマグネシウムによる還元であり、金属マグネシウム液相内での還元は付加的な反応であるとの知見を得た。この確認のため、マグネシウムと直接接触させないで四塩化チタンを吹き込むという実験手法を編み出し、収率80%以上を得た。 これは従来にない微粉末チタンの製造に道を開く一方、チタンの凝集を促進させないと溶融塩からチタンを分離する際に液体サイクロン式捕集器を利用できないことが判明した。さらに多量の四塩化チタンを投入することで、生成チタン粉末の再溶解、2価のチタンイオンから大粒のチタン粉末が生成し、チタン回収が容易になるであろうとの方針で実験的研究を継続している。
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