1999 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体セラミックスの粒界に起因するホットスポット現象とその応用
Project/Area Number |
10355034
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 祐二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60293255)
岡元 智一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60313566)
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Keywords | ホットスポット / 酸素センサー / 線材 / ペロブスカイト / 酸化物イオン伝導 / イオン半径 / PTCR特性 / 混合伝導 |
Research Abstract |
高温超伝導体として知られているGdBa_2Cu_3O_<7-δ>のセラミックス線材に室温で電圧を印加すると、線材の一部分のみが赤熱することを発見し、これをホットスポット現象と名付けた。ホットスポットが発生すると、電圧に依存せず線材に流れる電流が一定となること、雰囲気の酸素分圧に依存して電流が変化すること等の特性が現れる。本現象を利用した酸素センサはジルコニア酸素センサと比較すると、ヒーターが不要であること、電極に白金を必要としないこと、標準(基準)ガスが不要であること等の利点を有する。 ホットスポットはPTCR(Positive Temperature Coefficient of Resistivity)特性を有する材料に発生する。(Ln_<1-x>Sr_x)(Co_<1-y>Fe_y)O_<3-δ>(Ln:希土類元素)はPTCR特性を有すること、酸化物イオンの拡散係数が高いことが報告されている。そこでこの系の材料を対象に、ホットスポット現象の発現と酸素センサヘの応用を検討した。 その結果、以下の知見を得た。1.線材に電圧を印加するとホットスポットが発生し、その温度は約1000℃であった。この温度は酸化物イオンが移動するのに十分な温度であり、酸素分圧を上昇させると電流は増加した。2.置換する希土類元素のイオン半径が大きい程高いセンサ感度を示した。3.置換する希土類元素のイオン半径が小さい程大きな応答速度を示した。また、印加電圧の増加に伴い応答速度は大きくなった。低酸素分圧から高酸素分圧への応答が、その逆の場合に比べて速いことが分かった。 本研究で評価したセンサは従来の固体電解質型や半導体型と同等の検出濃度範囲および感度を有していた。構造が極めて単純であるため、このセンサはコストの面で優れており、エンジン用、環境用、酸化防止用、医療用等、広範囲の分野への応用が期待できる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Noguchi et al.: "Sensing Properties of Oxygen Sensor Using Hot Spot on La_<0.2>Sr_<0.8>Co_<0.8>Fe_<0.2>O_<3-δ> Ceramic Rod"Key Engineering Materials. 169-170. 79-82 (1999)
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[Publications] M.Takata et al.: "Novel Oxygen Sensor Using Hot Spot on Ceramic Rod"Bulletin of Materials Science. 22・3. 593-600 (1999)
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[Publications] 岡元智一郎,高田雅介: "ホットスポット現象を利用した巨大非線形電流-電圧特性"化学工業. 50・11. 824-827 (1999)