1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルスRNA複製酵素の構造と機能の解析ならびにその抵抗性育種への応用
Project/Area Number |
10356002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日比 忠明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50261954)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 和幸 サントリー(株)基礎研究所, 主任研究員
鈴木 匡 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40282694)
白子 幸雄 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (90143023)
|
Keywords | 植物ウイルス / RNA複製酵素 / 宿主因子 / TMV / CMV / SBWMV / リアソータント / ウイルス病抵抗性形質転換植物 |
Research Abstract |
1. タバコモザイクウイルス(TMV-OM)感染タバコ葉(品種:Xanthi)の抽出液を30,000xgで30分間遠心した後、沈殿をタウロデオキシコール酸(TDC)で可溶化し、これを100,000xgで1時間遠心した上清(S100)から、TMV 183Kタンパク質のRNAポリメラーゼドメインに対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって、TMV RNAポリメラーゼ(ホロ酵素)を精製した。精製酵素のPAGE解析によって、本酵素のアポ酵素は126Kタンパク質と183Kタンパク質とのへテロダイマーであると推定された。さらに、本精製酵素は(+)TMV RNAあるいはその3'末端断片(249b)を鋳型とした場合にのみ特異的に鋳型全長に対応するRNAを合成した。 2. キュウリモザイクウイルス(CMV)と同属異種のラッカセイわい化ウイルス(PSV)との間でRNA1,2を相互に交換したリアソータントの感染性を解析した結果、PSV RNA1とCMV RNA2の組合わせの場合にのみ第1次感染細胞内での複製が認められたが、その後の移行は認められなかった。一方、CMVと同属異種のトマトアスパーミィウイルス(TAV)との間で、TAV RNA1,2とCMV RNA1あるいは2とを混合接種した結果、その子孫で、3′末端がTAVに置換された変異CMV RNA2や1aタンパク質に2ヶ所の変異を持つTAV RNA1が検出された。さらに、TAV 1aタンパク質とCMV 2aタンパク質は相互作用しないのに対し、TAV変異1aタンパク質はCMV 2aタンパク質と相互作用することが示された。 3. ムギ類萎縮ウイルス(SBWMV)の全長cDNAクローンを構築し、そのin vitroトランスクリプトが局部感染植物と全身感染植物に対し、ウイルス粒子と同様の感染性を示すことを確認した。
|
-
[Publications] Masuta,C., Suzuki,T.et.al.: "Evolution of a novel quadripartite hybrid virus by interspecific exchange and recombination between replicase components of two related tripartite RNA viruses." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.95. 10487-10492 (1998)
-
[Publications] Takeshita, M., Suzuki, T.et al.: "Involvement of cucumber mosaic cucumvirus RNA2 and RNA3 in viral systemic spread in radish plant." Arch.Virol.143. 1109-1117 (1998)
-
[Publications] Shirako,Y.: "Non-AUG translation initiation ina plant RNA vrus genome : a forty-amino-acid extension is added to the N-terminus of te soil-borne wheat mosaic virus capsid protein." J.Virol.72. 1677-1682 (1998)
-
[Publications] Watanabe, T., Hibi, T.et al.: "Isolation of 126K/183K protein heterodimer with the RNA-dependent RNA polymerase activity from TMV-infected tabacco." J.Virol.(in press). (1999)