1998 Fiscal Year Annual Research Report
高速増殖炉2次冷却系のタンク化による高性能・簡素化研究
Project/Area Number |
10358012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 慶次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40029202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折田 潤一 三菱重工業(株), 神戸造船所原子力プラント技術部 原子力プラント 新型炉計画課, 設計職(研究職)
浜田 勝彦 三菱重工業(株), 神戸造船所原子力プラント技術部, 主査(研究職)
井上 正二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10203233)
堀池 寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252611)
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Keywords | 高速増殖炉 / 新型中間熱交換器 / 蒸気発生器 / 液体金属 / ガリウム / 自然循環熱伝達 / 温度ゆらぎ / 安全性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、安全性と経済性の優れた高速増殖炉開発のため、中間熱交換器と蒸気発生器とポンプを一体化して簡素化する独自の新概念中間熱交換器(AIHX:Advanced Intermediate Heat eXchanger)の基礎研究の展開にある。既存の小型実験装置(短尺加熱)を参考に、新規に長尺加熱部装置を製作した。円筒容器環状空間に、直径 12mm で有効加熱長 400mm の直棒状の電気加熱ヒーター 12 本を円環状配列し、外周に外径 12mm の二重螺旋状水冷管を配して、中間熱媒体として液体金属 Ga を用いた。(1) 新型中間熱交換器(AIHX)内の液体金属の自然循環熱伝達特性 加熱部と冷却部に円筒仕切板ありの場合は、自然循環伝熱特性は加熱長が半分の短尺に較べて約 3 倍に向上した。この煙突(Chimney)効果により、実機では更に優れた自然循環伝熱特性が期待できる。仕切板がない場合は、伝熱特性は元来良好だが、長尺にしても伝熱特性の大幅な向上はなく、加熱管と冷却管の近接配置により、局所的渦状の流体移動により伝熱が支配されている。 (2) 温度ゆらぎの測定と局所的な流体移動・伝熱メカニズムの解明 新規に購入した高精度多温度計測・動的解析装置を用いて、熱電対二点間の温度ゆらぎの相関関数より局所的な流体移動速度を求めた。仕切板がある場合は、円環状流路に沿った流速 3〜4cm/se の流れが主流であるのに対して、仕切板がない場合は、温度ゆらぎが大きく振動数は0.1〜0.3Hz で、流体の移動が加熱管と冷却管の間で局所的な渦状であることが確かめられた。 成果は、原子力学会口頭発表2件、ロシアでの国際研究集会1件に発表。学会誌投稿を検討中。次年度は、装置にGa用ポンプを取付け、強制循環熱伝達特性を測定、実機適用の設計的検討を行う。
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