2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10358021
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中前 勝彦 神戸大学, 工学部, 教授 (40031075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 昭夫 神戸海星病院, 眼科, 部長
加藤 功一 神戸大学, 工学部, 助手 (50283875)
西野 孝 神戸大学, 工学部, 助教授 (40180624)
雑賀 司珠也 和歌山医科大学, 眼科, 講師 (40254544)
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Keywords | 眼内レンズ / 高分子表面 / グリスニング / 生体適合性 / 焦点距離 / ハイドロゲル / タンパク質吸着 / 水晶体 |
Research Abstract |
長期使用および焦点距離調節の可能な次世代眼内レンズの創出を目的として、以下の3つの課題に取り組み、それぞれ新たな知見の集積ならびに新規技術の確立を図った。 1.摘出眼内レンズにみられる材料変化の機構に関する検討 後房レンズを長期挿入した場合に生じやすい表面混濁の発生機序に関する基礎的な知見を集積するため、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ウエスタンブロッティング法などを用いて、表面に吸着した組織成分の解析を行った。とくに、吸着タンパク質と補体活性化の関連について詳しく考察した。 アクリル系眼内レンズを眼内に挿入した場合に時折みられる輝点(グリスニング)の発生メカニズムについて、高分子化学的立場から検討した。その結果、レンズを構成する材料が、微小な温度変化に伴ってスピノダル分解を起こすことがその原因であることを見出した。 2.新規眼内レンズの表面設計方法に関する検討 タンパク質吸着や細胞接着の起こりにくい眼内レンズを開発するため、新規な高分子材料表面の超疎水化技術ならびに生体膜模倣化技術について検討した。前者では、高分子表面へのフッ素の導入方法の確立とその撥水性評価を行い、後者では、ホスホリルコリン基含有高分子によるコーティング技術を発展させた。 3.焦点距離可変型弾性体の設計ならびに有効性評価 弾性体として、高分子ハイドロゲルに着目し、生体適合性および生体安全性に優れ、かつ微小な外部刺激により精確に、しかも再現性よく応答する弾性材料の開発を進めた。また、ゲルの膨潤・収縮を利用して焦点距離を変化させるハイドロゲル系の構築を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Murant Dogru: "Optical and atomic force microscopy of an explanted AcrySof intraocular lens with glistenings"J.Cataract and Refractive Surgery. 26. 571-575 (2000)
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[Publications] 鉄本員章: "Glisterningが観測されたアクリルソフト眼内レンズの光学および原子間力顕微鏡所見"眼科臨床医報. 93. 278-282 (1999)
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[Publications] Koichi Kato: "The spinodal decomposition of polymer network by temperature change initiates glistening formation in an AcrySof intraocular lens"J.Cataract and Refractive Surgery. (印刷中).