1999 Fiscal Year Annual Research Report
OECD「生徒の学習到達度調査」に対応した調査研究
Project/Area Number |
10400004
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Research Institution | National Institute for Educational Research (NIER) |
Principal Investigator |
吉田 茂 国立教育研究所, 国立教育研究所, 所長 (00300682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 征夫 国立教育研究所, 教育情報資料センター, センター長 (50000071)
山田 兼尚 国立教育研究所, 生涯学習研究部, 部長 (40000070)
渡辺 良 国立教育研究所, 国際研究協力部, 部長 (30141980)
有元 秀文 国立教育研究所, 教科教育研究部, 室長 (40241228)
長崎 栄三 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50141982)
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Keywords | 学力 / 学習到達度 / 国際協力 / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究では、わが国における学習到達度に関する国際的・科学的調査手法の確立を狙いとして、(a)生徒の学習到達度を構成する要素に関する枠組みの検討;(b)OECDが行う調査に対応した、生徒の学習到達度測定のための調査票の日本語版作成;および(c)国際的に認められた手続きにしたがった15歳児(高等学校1年生)を対象とした、予備調査を行うことを目的とした。 PISA調査の国際的な調査の枠組みをもとに予備調査用の学校・生徒質問紙およびテスト問題の日本語版作成を行うと共に、国際的なルールをもとに平成11年5月〜6月には高校1年生約2000名を対象に予備調査を実施し、その後採点、データ入力等を行った。 PISA調査の各種関連文書、調査で使用予定の質問紙およびテスト問題の翻訳・検討および予備調査の実施結果により、日本の生徒の到達度を把握する上でもPISA調査は非常に有益であることが明らかとなった。特に、PISA調査では、学校で学習した内容の理解度をみるだけではなく、15歳児として今後どの程度社会に参画したり、生活していく力を身につけているかをみるという点では、非常にユニークであり、今後、総合的学習の時間の導入などとの関係でその評価を考えるうえでは参考になることが明らかとなった。また、国際的なデータと比較分析しても信頼性のあるものであることが明らかとなり、今後、文化的・言語的な違いを考慮しても国際的な学習到達度調査に参加していく基盤ができた。 今回の予備調査の結果を踏まえ、問題として明らかになった若干の諸点を改善していくことにより、今後進められるPISA調査の本調査に積極的に参加していくことが可能である。
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