1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410017
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
小川 勝 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (60214029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右代 啓視 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (30213416)
平川 善祥 北海道開拓記念館, 企画調整部, 課長 (00132837)
木村 重信 兵庫県立近代美術館, 館長 (50027984)
下川 浩一 地質調査所, 地震地質局, 主任研究官
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Keywords | 北東アジア / 縄文・続縄文時代 / 先史岩面画・刻画 / フゴッペ洞窟 / 洞窟地質学 |
Research Abstract |
今年度は4年間にわたる計画の第2年目に当たり、それぞれの研究分担者が具体的な調査・研究を開始した。年度始めには、下川を中心に右代を加えて、フゴッペ洞窟の周辺で、概観調査を行い、ボーリング地点を決定した。ボーリングは、フゴッペ洞窟の成因、および形成年代を特定するためのもので、その後準備期間を経て、10月末に現地で右代立ち会いのもと実際にボーリングを行った。その成果としては、明確なものは得られなかったが、柱状図などを作成し、現在、分析を行っており、来年度以降の研究に大いに資するところがあったといえよう。 また、7月には小川らが余市町で研究打ち合わせを行い、第3会研究会を計画した。そこで立案した第3会研究会は10月中旬に2日間にわたって余市町で行い、初日は木村が「世界の先史岩面画」と題した特別講演を行って、世界の先史岩面画の中にフゴッペ洞窟・岩面刻画を位置づける基礎的な視点を提出した。第2日目には、下川に加えて、研究分担者の乾芳宏(余市水産博物館)、浅野敏昭(余市水産博物館)、石川直章(小樽市教育委員会)、丑野毅(東京大学)、小林幸雄(北海道開拓記念館)の計6名が研究発表し、その後、発表を受けて、参加者全員でパネル・ディスカッションを行った。発表はそれぞれ基礎的な知見をもたらすものであり、また、パネル・ディスカッションは今後の調査・研究に向けて総合的な視点を研究参加者に与える充実したものとなった。なお、この研究会は一般公開で行い、一般参加者の質問にも答えることができ、共同研究の情報公開という点では、大きな意義があったと自負している。小川、平川、右代はこの研究会には司会として参加した。 以上、研究対象が複雑なものである以上、2年間の調査・研究を経てもまだまだ具体的な成果は得られていないが、着実に基礎的な問題を探求しており、来年度以降の飛躍的な展開を期待させる段階に至っているといえよう。
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