2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410017
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
小川 勝 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (60214029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右代 啓視 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (30213416)
平川 善祥 北海道開拓記念館, 企画調整部, 学芸員 (00132837)
木村 重信 兵庫県立近代美術館, 館長 (50027984)
下川 浩一 地質調査所, 地震地質局, 主任研究官
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Keywords | 先史岩面画 / 北東アジア / 岩面刻画 / 年代決定 / フゴッペ洞窟 / 手宮洞窟 |
Research Abstract |
本年度は、昨年のフゴッペ洞窟周辺ボーリング調査などの成果を受けて、岩面刻画の制作年代に関して、約2000年前の「弥生海進」以降に作品の制作環境が整ったことを明らかにすることができた。このように制作年代の上限を明確にできたことは大きな研究成果であり、今後の制作年代論の基礎を築くことができたといえる。制作年代の下限に関しては、考古学的共伴物の年代から、従来紀元後3、4世紀という仮説が提出されていたが、研究代表者である小川は、これまで明らかになった多くの要素を総合的に判断して、紀元後1世紀後半から2世紀前半ではないかという仮説をまとめ、7月にオーストラリア、アリス・スプリングスで開催された国際学会でも発表した。ただし、これについては、研究分担者、および協力者の中にもまだ異論があり、共同研究としての結論となっているわけではなく、2月には第4回研究会を開催して、討議を重ねたところである。 他にも、関連する他の科学研究費による共同研究の一環として、本科研のメンバーも、9月から10月にかけて、ロシア極東地域の先史岩面画遺跡群を調査し、また、11月には北海道余市町で、公開による大規模な「フゴッペ洞窟シンポジウム-過去・現在・末来」を開催し、各メンバーがそれぞれの議論を展開させることができた。 来年度は、本研究の最終年度に当たり、充実した報告書の刊行へ向けて、各研究者がそれぞれの成果をまとめ上げる段階に入りつつあるところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 木村重信: "世界の岩面画"余市水産博物館研究報告. 第4号. 1-8 (2001)
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[Publications] 下川浩一: "フゴッペ洞窟の成立過程"余市水産博物館研究報告. 第4号. 9-14 (2001)
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[Publications] 乾芳宏: "フゴッペ洞窟・考古学的調査の概要"余市水産博物館研究報告. 第4号. 15-18 (2001)
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[Publications] 石川直章: "手宮洞窟から見たフゴッペ洞窟-研究史における意義-"余市水産博物館研究報告. 第4号. 19-26 (2001)
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[Publications] 丑野毅: "フゴッペ洞窟・岩面刻画の制作技法"余市水産博物館研究報告. 第4号. 27-32 (2001)
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[Publications] 浅野敏昭: "フゴッペ洞窟・岩面刻画の発見と現状"余市水産博物館研究報告. 第4号. 33-38 (2001)