1998 Fiscal Year Annual Research Report
明治-大正期における「ロマンティシズム」の検証-青木繁から関根正二まで-
Project/Area Number |
10410019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The National Museum of Modern Art,Tokyo |
Principal Investigator |
市川 政憲 東京国立近代美術館, 次長, 研究員 (20099930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵屋 美香 東京国立近代美術館, 企画・資料課, 研究員 (30260003)
水谷 長志 東京国立近代美術館, 企画・資料課, 研究員 (50181889)
中林 和雄 東京国立近代美術館, 美術課, 研究員 (50217816)
松本 透 東京国立近代美術館, 美術課長, 研究員 (90150044)
尾崎 正明 東京国立近代美術館, 企画・資料課長, 研究員 (00113423)
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Keywords | 青木 繁 / キリスト教 / 岡倉 天心 / ロマンティシズム / 浪慢主義 |
Research Abstract |
本年度に行った主な活動は、以下の二つである。1.)所在や内容をすでに把握済みの資料に関しては、順次マイクロ化、または研究補助者による複写を行い、来年度以降の研究のためのデータの蓄積を進めた。2.)キリスト教関係やアジアの近代化過程についてなど、今まで調査の積み重ねがない分野に関しては、各研究分担者が現地の資料館等を訪れて、収集する必要のある資料の所在と内容を確認し、来年度以降の資料収集の足がかりをつくった。また、この二つの活動の事前調査のために、『国華本文編』『タゴール著作集』『内村鑑三 目録』などの図書、マイクロフィルムを購入した。 1.)に関しては、特に、研究の中心課題である青木繁の調査に欠くことのできない財団法人石橋美術館所蔵の青木繁スクラップブックをマイクロ化した他、新出資料である北御牧村立梅野記念絵画館所蔵の梅野満雄卒業論文、坂本繁二郎による同論文の清書、および同卒業論文に関する青木繁メモをマイクロ化することができ、多くの成果を得た。また現在閲覧が極めて難しい国画制作協会雑誌『制作』をマイクロ化することができたのも、今後の研究に大きな便を与えるものである。2.)に関しては、文筆家生田長江、思想家井口喜源治などを中心に、従来美術との関連で本格的に調査されることのなかった資料の所在を確認し、これを明治・大正期の美術をめぐる人脈に位置づける展望を得た。 来年度以降は、本年度に収集した資料を詳細に整理・分析することに重点を移していく。また、アジアの近代化、特にインドと日本の影響関係については、本年度充分に調査を行うことができなかったので、来年度以降の課題としたい。
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