2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410024
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西川 泰夫 北海道大学, 文学研究科, 教授 (70053642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 達哉 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (90215806)
大山 正 放送大学, 教養学部, 客員教授 (50008942)
辻 敬一郎 中京大学, 心理学部, 教授 (20023591)
高砂 美樹 山野美容芸術短期大学, 助教授 (40261763)
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Keywords | 日本の心理学史 / スイスにおける日本人心理学者 / 心理学史の時代区分 / 心理学史資料館 / 心理学史・心理学論\の足跡 |
Research Abstract |
平成12年度の研究実施計画にしたがい、以下のような研究実績、成果を上げた。 1 当研究計画のレビューを受けるため、本年度はヨーロッパ、ことにスイスを中心として次の3項目について実地調査を行った(辻)。(1)本邦心理学の草創期における日本人研究者の滞在記録。(2)スイス心理学における学史研究の現状。(3)スイスにおける科学史研究およびその成果の実情。 2 アメリカのアクロン大学アメリカ心理学史資料館設立35周年記念シンポジウムに参加するため同所を再訪し、新たに日本の戦後の心理学の復興に大きな役割を持った京都実験心理学セミナーに関する当時の一次資料の収集を行った(西川)。この記念シンポジウムでは、各研究者の研究報告の内容はいうまでもないが、これに加えアメリカにおける心理学史の主要な研究者が一同に会するという絶好の機会を捕らえ、個別の事項をめぐり貴重な情報収集と、これらの研究者とのネットワークを構築した。今後の研究展開の基盤を作ることができた。 3 スエーデンのストックホルムで開催された第27回国際心理学会議などに参加し過去3年間の当研究計画による成果を報告した(西川、高砂、佐藤、溝口)。さらに当会議主催シンポジウムにおいてシンポジストの一人として(大山)、日本の心理学の成立経緯ならびにそれを担った先達たちを紹介した。また、この会議を通じ、上記2の心理学史研究者との再度の討議を行う機会をえたこと、ならびに世界の心理学史研究者との間で有意義な討議ならびに意見交換を行い、今後の心理学史研究への新たな指針をえた。 4 国内での各種資料、情報を加え、あらためて「心理学史・心理学論」の基本をめぐる論理的討議、検討を行い(全員)、今後の心理学史研究展開への指針や問題点を整理した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 児玉斉二: "顔永京と漢訳心理学用語について"心理学史・心理学論. 2. 25-33 (2000)
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[Publications] 溝口元: "「近代心理学」か「現代心理学」か-日本における心理学研究体制のルーツ問題-"心理学史・心理学論. 2. 35-39 (2000)
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[Publications] NISHIKAWA, Y., ETAL: "Predecessors brought modern psychology as an experimental science in Japan"Program of the 27th I.C.P.. 194 (2000)
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[Publications] 西川泰夫: "アクロン大学アメリカ心理学史資料館(AHAP)再訪"心理学史・心理学論. 2. 41-48 (2000)
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[Publications] OYAMA, T.: "Shaping of scientific psychology in Japan : with special Emphasis upon the contributions of Y.Motora & M.Matsumot"Program of the 27th I.C.P.. 120 (2000)
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[Publications] SATO, T.ETAL.: "Yuzers Motora, as the first Japanese Psychologist."Program of the 27th I.C.P.. 127 (2000)
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[Publications] 佐藤達哉: "フランスの「哲学評論」に掲載されたリボーによる元良論文の紹介"心理学史・心理学論. 2. 49-52 (2000)
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[Publications] TAKASUNA, M.ETAL: "Studying abroad in Europa and the USA : Influeuces on Japanese Psychology 1868-1945"Program of the 27th I.C.P.. 194 (2000)
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[Publications] 高砂美樹: "干輪浩の欧州滞在メモ : 1933年11月から1934年1月"心理学史・心理学論. 2. 53-63 (2000)