1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410034
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (20200826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝田 裕一 社会福祉法人日本ライトハウス, 養成部, 部長(研究職)
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Keywords | 歩行訓練 / 視覚障害児 / 発達 / 移動訓練 / 身体運動 / プリケーン / バンジー訓練 / AMD |
Research Abstract |
視覚障害児の抱える大きな問題として、単独での移動量が少なく、空間認知の発達が遅れ、空間に関する言語獲得の発達が遅れることがあげられる。そうした問題を軽減するために、視覚障害児に対する早期の移動訓練を実施することが考えられる。しかし、そうした疑問に関する研究はわずかしかないため、本研究では、乳幼児期から視覚障害児に移動訓練を実施することの効果を見ようとしている。また、もう一つの研究目的として、移動訓練を有効に機能させると考えられる訓練用具についての検討を実施する予定である。 本年度は3年計画の2年度として、視覚障害児の移動や身体運動を、解析可能な3次元データ化し、定期的に記録する作業を行った。視覚障害児の様々な移動に関わる身体運動(歩行、白杖歩行、スキップ、けんけん、手を振った歩行、ジャンプによる前進、後進、前転)を毎月記録し、発達的特徴をつかむと同時に、視覚障害児の移動運動発達の基準となるデータを集めた。また、長いゴムひもを使用したバンジー訓練を継続的に行い、体から離れた空間の理解が促進される様子を、方向定位課題を使って記録した。 視覚障害乳幼児の歩行を促す訓練用具としてはいくつかのAMD(プリケーン)を開発した。それらは独り立ちから一人歩きの時期に適切なもの(およそ2歳まで)、不十分ではあるが一人歩きの時期のもの(およそ3歳)、一人歩きの可能な段階のもの(およそ3歳)、白杖を握ることのできる子ども用(およそ3〜4歳)の4種類であり、実際の訓練場面でも有効性が確認された。 なおいずれのデータとも、縦断的記録であるため、それらがどのような発達を示すかについてはまだ明確な成果は得られておらず、来年度に続くデータ収集の段階を続けている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山本利和: "視覚障害者の白杖歩行に関わる2種類の情報"大阪教育大学紀要,第IV部門教育科学. 48(印刷中). (2000)
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[Publications] 山本利和: "視覚障害者の歩行環境に関する事例報告"発達人間学論叢. 3(印刷中). (2000)