2000 Fiscal Year Annual Research Report
教員文化の日本的特質-その社会史的・社会学的解明-
Project/Area Number |
10410068
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
久冨 善之 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (40078952)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 耕治 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10135494)
石戸 教嗣 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80135491)
中内 敏夫 中京大学, 社会学部, 教授 (70017135)
木村 元 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60225050)
山崎 準二 静岡大学, 教育学部, 教授 (50144051)
|
Keywords | 教員文化 / 社会史 / 社会学 / 日記 / 実践分析 / エスノグラフィ / 教師 / 日本的特質 |
Research Abstract |
昨年に引き続き「教員文化」の社会史と社会学とに関する根本的諸資料(日記、伝記、統計データー、実態調査、実践記録など)を日本の近現代を中心に収集した。同時に、「教員文化」の理論を検討し、なぜ教員世界に特有の文化が生まれ展開しそれがどう機能するかについて検討した。検討は、教員文化の社会史研究、教員文化の実態研究、教育実践の文化構造研究グループによって行いそれを総括するという手順で行った。 社会史研究グループでは、大きく3領域で検討を進めた。1)これまで収集した日記の整理ならびに検討(教員家族、近代という絞りをかけかつ比較的まとまって資料が収集出来るものに関して情報の整理を行った)。2)教員日記の分析として鈴木利貞日記を検討し、教員文化の成立過程を教員家族のもつ固有な文化と重ねて検討した。3)教員自伝の収集ならびに、その整理を中心に行った。それを踏まえてモノグラフ研究、資料集・解題を内容にした報告書を作成した。 昨年度末に、全国の五つの地域で実施した二つの質問紙調査(A,教員文化についての教師対象本調査と、B,カウンセラー対象調査とについて、結果を整理・点検し、集計・分析した。その際のおもな観点は、(1)今日の教員文化の存在は質問紙を通じていかに把握されるか、(2)教師たちは今日の教育困難をどう捉えているか、その地域的な差、(3)バーンアウト(燃え尽き)教師の比率はこのところ本当に低下しているか、(4)カウンセラー導入が学校文化・教員文化にどう影響・変化を与えているかいないか、の4点である。これらの点について、過去の教師調査の結果を集め、それらとも比較しながら、教員文化の今日的変動と課題を分析・考察し、成果報告書にまとめた。 教育実践の文化構造研究グループでは、教師のライフコースアプローチという方法の検討を行い、それに基づいて、戦後の教育実践史に著名な足跡を残した教師として鈴木正気氏を対象にインタビュー調査を行った。すでに実施した山本典人、若狭蔵之助氏の調査結果と合わせて総合的な検討を行い報告書を作成した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 久冨善之: "変動する日本社会の教師たち-その混乱、葛藤そして「乗り切り(?)」"下記図書に分担執筆. 322-343
-
[Publications] 藤田英典,志水宏吉: "変動社会の中の教育・知識・権力"新曜社. 322-345 (2000)