1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410094
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西谷 正 九州大学, 文学部, 教授 (20037005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 輝雄 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10038002)
服部 英雄 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (60107521)
宮本 一夫 九州大学, 文学部, 助教授 (60174207)
池田 栄史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
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Keywords | 玄界灘 / 海底遺跡 / 水中考古学 / 博多湾 / 交易船 / 沈没船 / サイドスキャン・ソナー / サブボトム・プロファイラー |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて今年度も、玄界島沖北東4.5km地点の海域で、昭和11年(1936)に沈没した石炭運搬船「彦山丸」を中心に、一辺が1800×1800mの探査区域の6画(1A、1B、2A、2B、3A、3B)を設定して、そのうち最重要区域である2A、2B及び3Aを調査した。調査範囲内をいわゆるボールを使って精査し、海底面および海底下の状況をDGPSによって位置を測定しながら記録した。この探査範囲内には、昭和30年代前半に目撃されている「中世の交易船」と思われる木造船が「彦山丸」付近の海底下に沈没していることが想定されることから、記録したデータをもとに、異常地点として判定した数十個所に対し、集中的に調査した。その際、水中カメラを搭載した、いわゆるボールを潜水させ、船上でリアルタイムにモニターに映し出し、映像で確認する作業を行った。そして、必要に応じて調査員が浸水調査も行った。しかし、結果的には、異常反応地点はいずれも岩礁等であることがわかり、「中世の交易船」の発見には至らなかった。2年度にわたる探査を通じて、海底遺跡の調査技術や方法に関し、貴重なデータを蓄積できた。 なお、水中考古学関係資料、とくに中世の交易船がもたらした船載陶磁器や交易船の碇石等について、列島各地たとえば沖縄県・長崎県等へ出張し、調査した。さらに、調査期間中のミーティングや福岡市内での研究打ち合わせ会議を数回催し、研究成果の総括等を実施した。
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