2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410097
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
大西 拓一郎 国立国語研究所, 言語変化研究部, 室長 (30213797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00161993)
日高 水穂 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (80292358)
三井 はるみ 国立国語研究所, 言語変化研空部, 主任研究官 (50219672)
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
渋谷 勝己 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90206152)
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Keywords | 活用 / 可能表現 / ボイス / 条件表現 / テンス / アスペクト / モダリティ / 方言文法 |
Research Abstract |
日本各地の方言における文法現象の対照を通して、文法体系のバリエーションをきめ細かく記述し、かつ、個々の変異発生のメカニズムを考察することを目的とする研究である。 昨年度までに行った研究全体のための基盤整備、実際の方言を対象とした分析を踏まえながら、隣地調査を継続し、全体を総合するためのモデル形成を行った。 理論面の整備を行いながら、現実の方言を対象とした隣地調査を行い、その結果を理論構築に活かし、かつ諸種の先行資料も参照するという一連の作業を通して、理論と現実の言語を常に照合する形で、総合的な分析を進めた。 具体的には、分担者相互の持ち寄ったデータを照らし合わせながら、以下のことがらを特に中心的な課題として研究を進めた。 (1)活用の全国分布と通時的分析 (2)条件表現の分析方法の開発 (3)可能表現の分析方法の開発 (4)ボイス項目の分析方法の開発 (5)テンス・アスペクトの方言間対照と分析 (6)テンスとモダリティの通時的分析 (7)モダリティの方言間対照と記述方法の開発 (8)琉球方言の形態論的分析と対照 (9)方言文法をとらえる枠組みの段階的設定 その他、副次的ながら、長野県秋山郷方言に特殊な可能表現の存在することの発見がなされた。 最終的に、文法に関して、全国規模での調査で利用できる項目のカタログ化、隣地調査に耐える質問文の作成を目指した。また、全国規模での調査を行う方策についても検討を進めた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大西拓一郎: "「方言学」という学問"日本方言研究会研究発表会発表原稿集. 70. 77-80 (2000)
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[Publications] 日高水穂: "文法化の過程と地理的分布-対象格助詞コト・トコ類の分布と変遷-"日本方言研究会研究発表会発表原稿集. 70. 41-48 (2000)
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[Publications] 渋谷勝己: "山形市方言における確認要求表現とその周辺"阪大社会言語学研究ノート. 3. 20-32 (2000)
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[Publications] 木部暢子: "方言研究への招待 方言研究入門"月刊言語. 30-1. 102-107 (2001)
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[Publications] 木部暢子: "方言研究への招待 発音・アクセントの調査入門"月刊言語. 30-2. 114-119 (2001)
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[Publications] 伊豆山敦子: "琉球・八重山・石垣(宮良)方言の動詞言い切りの形"アジア・アフリカ文法研究(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所). 29. 1-27 (2001)
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[Publications] 日高水穂,小林隆 他: "秋田のことば"無明舎出版. 961 (2000)