2000 Fiscal Year Annual Research Report
グループウェアを活用した欧州統合と福祉国家体制の変容に関する共同研究
Project/Area Number |
10420014
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
中谷 毅 愛知学院大学, 法学部, 助教授 (80301638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 ひろみ 今治明徳短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (50281754)
安野 正明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80202365)
筒井 洋一 富山大学, 人文学部, 教授 (20197734)
|
Keywords | グローバル化 / 福祉国家・社会国家 / 現代国家 |
Research Abstract |
今年度は「福祉国家」を「現代国家」という広い文脈で捉え、進展するグローバル化の中で諸問題に直面するヨーロッパの主要国を研究対象に、国家の対応力とその限界を討究した。7月3日、8月24日、12月16日に研究会を開催し、(1)現在インターネットが参加民主主義の分野にも進出しているが、この傾向は福祉の分野においても大きな意味を持つという報告、(2)戦争状態でないだけでなく、環境や人権などを含めた広範で積極的な平和を考察する中で社会国家を位置付けようとした報告、(3)研究紹介を中心に社会的なヨーロッパを模索するドイツを扱った報告がおこなわれた。これらの報告には内政と外交の相互作用を視野に入れながら、環境・福祉・金融などの諸分野における一国レベルの国家的対応の限界、国家に代わる或いはそれを補う諸アクターの役割への注目が見られる。また、福祉国家を福祉といった一分野から検討するのではなく、環境、人権、安全、平和といった概念の検討を含めてより広い文脈の中で捉えようとする視点も見逃せない。研究会の合間には、報告に向けての中間発表や研究会での議論をふまえた事後報告をグループウェアを通じて実施した。 今年度から研究分担者は各自のテーマに取り組み始め、本共同研究の最終年度となる平成13年度に成果を報告することになる。なお、当初の研究メンバーであった前研究代表者の木戸と野田がドイツ滞在のため研究協力者という形で参加することになった。二人は統一後10年を経た社会国家ドイツが直面する諸問題を実地に観察、分析し、グループウェアを用いて報告している。
|
-
[Publications] 安野正明: "「ドイツ社会民主党1958年党大会における組織改革の決定過程」"『現代史研究』. 46号. 1-19 (2001)
-
[Publications] 市川ひろみ: "研究ノート「戦後ドイツの軍隊の変容」"『今治明徳短期大学紀要』. 25集(3月発行予定). (2001)
-
[Publications] 野田昌吾: "「ドイツ政治の変容とドイツ社会民主党-「福祉国家の危機」「社会民主主義の危機」「社会民主主義の現代化」」"『ドイツ研究』. 31号. 17-26 (2000)
-
[Publications] 市川ひろみ(初瀬龍平他編): "『国際関係論のパラダイム』(市川担当:「平和主義」)"有信堂(4月発行予定). (2001)