1999 Fiscal Year Annual Research Report
協調問題解決システムの構築をめざして:規範と制度の共進化のネットワーク環境における実験経済学アプローチ
Project/Area Number |
10430004
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
有賀 裕二 中央大学, 商学部, 教授 (40137857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 敏司 埼玉大学, 経済学部, 助手 (80272277)
滝澤 弘和 東洋大学, 経済学部, 講師 (80297720)
小田 宗兵衛 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
|
Keywords | バブリング均衡 / ネオロジズムプルーフ / 華厳ゲーム |
Research Abstract |
(1)昨年度、「ネオロジズムプルーフの予想」に反する結果を得たため、「解の選定を行うメカニズム」の実験を引き続き行い、3回(東京2回、京都1回)の「チープトーク実験」を行った。これらの実験をつうじて滝澤、川越は、私的情報をもつsender-receiver gameで、プレイヤーの利害が完全に相反する場合、ナッシュ均衡概念を洗練させるだけではbabbling equilibriumを除去できないことを確認した。(2)小田は岩崎敦と協力して計算機実験はカリフォルニア工科大学開発のソフトウェアGambitとは独立的なモデルを開発、チープトーク実験の計算機シミュレーションを試行した。(3)ネットワーク環境におけるゲームデザインは川越の担当で1998年度より開始されたが、川越自身はWeb上でのゲームの技術的問題のためPrasnikar(ピッツバーグ大学)の協力を得てプログラム開発を進めたが、今年度においてもまだ完成をみていない。99年6月6日-12日にチーム全員が渡米しカリフォルニア工科大学Plott教授、アリゾナ大学Cox教授の実験施設を視察したが、有賀はとくにアリゾナ大学における高校生を被験者とする経済学実験より大きなヒントを得た。市販のデータベースソフトウェアFile Maker Proを利用して同様のソフトウェアを開発可能なことに気づいた。このソフトはWeb Companionを搭載しCGIの技術的困難を意識せずにプログラムを作成できる利点にある。有賀は神奈川総合高校体験授業プログラム(市場ゲームで学ぶ経済学[中央大学商学部99/09/24])で試験実験を行い、この成功を背景に、Web上での標準形2人ゲーム開発に成功した。これに付随して、解の確定しない「華厳ゲームAvatamska Game」で協調と裏切の進化の研究も開始した。(4)実験経済学の方法をさらに詳しく学ぶために、Friedman教授(カリフォルニア大学)とSunder教授(エール大学)を招待し講演を依頼、科研費集会「実験経済学コンファレンス」(中央大学駿河台記念館670号室00/3/24)を主催した。またこのコンファレンスで上記(1)-(3)の成果を公表した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Oda,S.H.et,al.: "A Model of the Point-of Sales System"The Proceedings of World Multiconference on Systemics,Cybernetics and Informatics. Vol.8. 114-121 (1999)
-
[Publications] Oda,S.H.et,al.: "The Application of Cellular Automata and Agent Model to Nework Externalities in Consumers'Theory"Commerce,Complexity and Evolution,(ed.) W.Barnett et.al,Cambridge University Press. 351-370 (2000)
-
[Publications] 滝澤弘和: "異なるタイプを伴うマッチングと遠視的提携安定性"経済研究年報(東洋大学経済研究所). 24号. (1999)
-
[Publications] 川越敏司: "Vickerey auctionによる自然的環境評価:批判的展望"社会科学論集. 98号. 1-20 (1999)
-
[Publications] (翻訳)川越敏司 他 共訳: "フリードマン、サンダー著『実験経済学の原理と方法』"同文舘出版. 235 (1999)