2000 Fiscal Year Annual Research Report
EC・アジア諸国の経済成長と通貨・金融政策の比較計量分析
Project/Area Number |
10430005
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和合 肇 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00091934)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 悟 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50114971)
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
深尾 光洋 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (30296743)
福田 慎一 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00221531)
国友 直人 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10153313)
|
Keywords | アジア通貨危機 / 通貨と株価の連動性 / 通貨のボラティリティの変化 / 為替レートの実証分析 / 分散変動波及モデル / 多変量GARCHモデル |
Research Abstract |
本研究では、EMU域内における主軸通貨の変動が,各国のインフレ率への影響を通じて各国の経済成長や主要マクロ経済変数に及ぼす影響について,短期的・長期的政策効果を定量的に分析し,その結果をAPEC諸国の為替安定化政策に役立てることを目的としている.あわせて,変動が域内に拡散する過程の計量経済学的分析手法について開発することも目指した. 2000年度は昨年度までに行った多くの研究者を交えての2回のシンポジウムと日本や海外での研究集会での討論,それに我々研究者グループの研究をもとに,研究のまとめを行った.研究代表者(和合)は,研究成果の一部をギリシャとオーストリアでの国際研究集会,ならびに時系列モデリングのフロンティアに関する国際シンポジウムや日中統計シンポジウムで発表し,また札幌で開催された第68回日本統計学会においても発表を行った.研究成果報告書の作成の準備をかねて沖縄県那覇市でシンポジウムを開催し,さらにアジアの経済情勢がもっとも敏感に感じられる通貨危機後の沖縄の経済情勢を日本銀行沖縄支店長の内田真人氏と沖縄金融公庫(調査部業務調整課)の諸見里安敏氏から聞き取り調査を行った.さらに琉球大学の新豊氏に,「アジア危機が沖縄の労働市場に与えた影響についてのインタビュー」を行い,同時にシンポジウムにも参加して頂き討論に参加していただいた.シンポジウムは,鎌田康一郎・中山興氏(日本銀行調査統計局)が「小型アジア・モデルによる政策シミュレーション」を,宮川努氏(学習院大学経済学部)が「機械投資と日本の経済成長」について,福田慎一氏(東京大学経済学部)が「通貨危機後のアジアの通貨制度」について,近藤任氏(東京大学大学院経済学研究科)が「アジア通貨危機からの回復過程の分析」について,今村有里子(東洋大学)と浅子和美(一橋大学)両氏による「アメリカ,日本,アジア諸国間の株価連動性:週次データによる検証」について発表があり,これらの問題について討論を行った.研究成果報告書は,今まで得られたところまでの研究成果をまとめたものであり,報告書には,過去4回の研究シンポジウムで発表された23編の研究論文が収められている.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Kunitomo,N.: "On Simultaneous Switching Autoregressive Model""Nonlinear Statistical Inference" edited by C.Hsiao, Cambridge University Press,. (Forthcoming). (2000)
-
[Publications] 浅子和美: "アジア諸国間の株価連動性:週次データによる通貨危機以前と以後の比較検証"生活経済学研究. 15. 41-56 (2000)
-
[Publications] 深尾光洋: "変動相場制移行後の為替レート変動"日本経済研究センター編,『金融不況の実証分析:市場情報による政策評価』,日本経済新聞社. (2000)
-
[Publications] 和合肇: "景気循環モデルにおける非対称性"貯蓄経済理論研究会年報. 第16巻. 1-33 (2001)
-
[Publications] 福田慎一: "金融と経済成長:短期資金の影響をめぐって"松浦克巳,吉野直行,米沢康博編『変革期の金融市場』日本評論社,. 233-253 (2000)
-
[Publications] 福田慎一: "The Impacts of Bank Loans on Economic Development : An Implications for East Asia from an Equilibrium Contract Theory"Regional and Global Capital Flows : Macroeconomic Causes and Consequences, University of Chicago Press. (Forthcoming). (2001)
-
[Publications] 浅子和美: "マクロ安定化政策と日本経済"岩波書店. 256 (2000)
-
[Publications] 福田慎一: "経済成長と国際資本移動"福田慎一,堀内昭義,岩田一政編『マクロ経済と金融システム』、東大出版会. (2000)