豊かな社会における経済政策に関する新たな手法の研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10430012
• Research Institution: Aichi Gakuin University
• Principal Investigator: 酒井 邦雄 愛知学院大学, 商学部, 教授 (30192082)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 角本 伸晃 高岡法科大学, 法学部, 教授 (20214421) ; 吉田 良生 朝日大学, 経営学部, 教授 (50182796) ; 寺本 博美 松阪大学, 政治経済学部, 教授 (10155476) ; 久下沼 仁笥 京都学園大学, 経済学部, 講師 (40298675) ; 吉田 雅彦 奈良産業大学, 経済学部, 助教授 (60268589)
• Keywords: 制度 / 制度の補完性 / 制度変化 / 時間的・空間的多様性 / 業績重視型賃金 / 地方分権 / 最適行政ミックス / インデックス債

Research Abstract

今年度は依然として困難な状況にある日本経済の諸問題のいくつかを,制度の経済学の観点から分析し,次のような点を明らかにした。酒井は政治的ルール,法ルール,慣習あるいは宗教等のグランドルールがプレーヤーにそれらのルールに適合させるルール,すなわち制度取り決めを生み出し,これらの関係が制度の補完性に他ならないことを明らかにした。吉田(良)は,賃金制度の年功序列型から業績重視型へ移行を,ホワイトカラー労働者に関するアンケート調査をによって分析し,この方向性が正しいかどうかを明らかにした。寺本は地方分権化の下で地方政府の行動が必ずしも効率的でない場合があることを明らかにした。吉田(雅)は新たな地方財政部門の行政システムを検討し,中央政府と地方政府の財政的関係の問題点を抽出した。第2に,NPOと行政機関の最適な連携として「最適行政ミックス」を提起した.久下沼はわが国でまだ導入されていない「インデックス債」の導入の経済効果を分析し,経済の産出水準が予想に反して低いとき,また政府の支出水準が予想に反して高いとき,より高い収益率を生じさせる「インデックス債」をデザインするすることが,経済厚生上,また財政運営上最適であることを明らかにした。

Research Products

• [Publications] 酒井 邦雄: "制度変化の経済学"商業研究(愛知学院大学). 第42号第3・4号. 1-16 (1999)
• [Publications] 吉田 雅彦: "分権社会における地方政府の役割"産業研究所年報(奈良産業大学). 第3号. (2000)
• [Publications] 久下沼 仁笥: "現代日本の年金制度改革案の諸相"経済学論集(京都学園大学). 第9巻1号. 47-68 (1999)
• [Publications] 酒井 邦雄: "ソ連の経済成長と技術進歩"成文堂. 約250 (2000)
• [Publications] 吉田 良生: "日本型雇用システムと高齢者の就業行動 高齢社会における企業経営"成文堂. (2000)
• [Publications] 寺本 博美: "財政構造改革下の地方財成 現在財政の研究"中央大学出版部. 113-136 (1999)
• [Publications] 吉田 雅彦: "分権社会における地方政府の役割 ポスト福祉国家の総合政策"ミネルヴァ書房. 第8章 (2000)
• [Publications] 久下沼 仁笥: "公的年金制度の運営規模簿決定 ポスト福祉国家の総合政策"ミネルヴァ書房. (2000)