1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10430022
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田村 正紀 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (40030712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 克義 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30197090)
石井 淳蔵 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (50093498)
|
Keywords | 製品開発 / 日本的特徴 / 営業活動 / プロセス管理 / チーム / 日本型マーケティング / イノベーション / 部門間コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究においては,質問票調査と企業への聞き取り調査に基づいて,製品開発の日本的特徴が,顧客と販売企業とのインタフェイスにある営業担当者の行動によって規定されることを中心に考察した。 まず日本の企業間取引が長期継続的になるために,企業が卸売業者や有力な小売業者などの流通業者との取引関係を維持・発展させることを重視して製品を開発するという特徴が明らかにされた。すなわち製品開発が消費者選好の調査に基づくよりも,むしろ営業部門が流通業者の品揃えについての要望を受ける形で製品開発がなされやすいことになる。この特徴は,日本企業において,競合企業と同質的な製品を開発したり,製品多様化が進みやすいという現象をもたらすことになる。また製品開発プロセスについて,欧米企業のようにマーケティング部門・製品企画部門のようなスタッフ部門よりも,営業部門のようなライン部門が主導的な立場につきやすいことになる。 そしてそのために日本企業の営業活動において,単に製品の販売活動だけでなく,製品開発のために需要情報の収集活動が重視されやすく,その合理性が営業プロセスの改革で問われることを検証した。とりわけ営業活動のプロセス管理やチームによる営業体制への営業改革は,販売能力の水準を高めるためというよりも,むしろ営業部門を中心とする開発部門などの部門間連携のための組織内コミュニケーションを活発にする効果が期待されていることが実証的に明らかにされた。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] 田村正紀: "機動営業の履行問題"ビジネス・インサイト. 28号. 8-17 (1999)
-
[Publications] 田村正紀: "競争優位基盤の構造"国民経済雑誌. 180-3. 1-13 (1999)
-
[Publications] 高嶋克義: "日本企業における営業プロセス管理"国民経済雑誌. 179-5. 61-76 (1999)
-
[Publications] 石井淳蔵: "営業マネジメントの革新"流通情報. 358号. 4-18 (1999)
-
[Publications] 石井淳蔵: "日本型マーケティングの変貌"書斎の窓. 485. 24-30 (1999)
-
[Publications] 田村正紀: "機動営業力"日本経済新聞社. 280 (1999)
-
[Publications] 高嶋克義(編著): "日本型マーケティング"千倉書房. 284 (2000)
-
[Publications] 石井淳蔵: "ブランド-価値の創造"岩波書店. 210 (1999)
-
[Publications] 石井淳蔵(共編著): "マーケティング・ダイアログ"白桃書房. 286 (1999)