1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70202017)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 恒男 立教大学, 理学部, 教授 (60097219)
高田 敏恵 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (40253398)
花村 昌樹 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (60189587)
|
Keywords | 多重ゼータ値 / 多重ゼータ関数 / 多重ベルヌーイ数 / 結び目不変量 |
Research Abstract |
従来より共同研究者の荒川恒男教授(分担者)と行ってきた多重ゼータ値と関連するゼータ関数についての研究をさらに「多重L値」に一般化する試みを行い、多重ゼータ値の場合の和公式にあたるものを証明し、また、それらのなすQ algebraについて考察した。我々の定義した多重L値は多重ゼータ値を指標付きにして直ちに考えられる一般化とは指標の付け方が違う。そしてこれが、積についても閉じる根拠となっており、「正しい」一般化であると思われる。 また関連して、多重ベルヌーイ数について、von Staudt型の定理を一般化して証明した。これと、以前から得られていた、負のindexをもつ多重ベルヌーイ数に関する組み合わせ的公式をひとつの論文にまとめた(出版はまだ)。 更に、金子と高田は、結び目の不変量から多重ゼータ値の関係式を導くという、Le-Murakamiの研究の継承を計画として挙げていたが、これは二人の大学院生(高向、井原)の博士、修士論文として結実した研究のなかでなされた。すなわち彼らは結び目、Lie環としてLe-Murakamiとは違うものを採用して計算を進めることによって更に新しい系列の関係式を見出した。 次年度以降に引き続く研究としては、多重L値および関連する関数の研究を進めること、L値とゼータ値の関連を明らかにしていくことがもっとも重要であると思われ、その方向で進めていくつもりである。また、ごく最近新潟の秋山茂樹、富山の江上繁樹の両氏は、多変数関数としての多重ゼータ関数の解析接続を行い、その負の整数点での値について色々面白いことを見つけられている。この方面の研究も我々の研究と重なる部分もあり、今後連携をとりながら進めるべき課題である。
|
-
[Publications] T.Arakawa: "Multiple zeta values,poly-Bernoulli numbers,and related zeta functions" Nagoya Math.J.vol.153. 1-21 (1999)
-
[Publications] M.Kaneko: "Supersingular J-invariants,hypergeometric series,and Atkin's orthogonal polynomials" AMS/IP Studies in Adv.Math.vol.7. 97-126 (1998)