1998 Fiscal Year Annual Research Report
精度保証付き数値計算とその計算理工学への応用に関する総合的研究
Project/Area Number |
10440031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 充宏 九州大学, 大学院数理学研究科, 教授 (10136418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲朗 愛媛大学, 理学部, 教授 (80034560)
三井 斌友 名古屋大学, 大学院人間情報学研究科, 教授 (50027380)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
西田 孝明 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (70026110)
大石 進一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20139512)
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Keywords | 数値解析 / 精度保証付き数値計算法 / 解の数値的検証 / 計算機援用証明 |
Research Abstract |
本年度は、個別の問題によらない共通的精度保証方式の開発および従来方式の拡張・改良を計るとともに、流体の流れ問題などの自然界における具体的現象に即した個別問題の精度保証、および関連数値解析技法の検討を行った。研究を進めるに際しては、代表者(中尾)が全体をとりまとめつつ、各研究分担者と関連研究者の協力を得て恒常的に検討を進めた。主な研究実績は以下の通りである. ・共通的精度保証方式 1. 中尾、山本野人、渡部は共同して、偏微分方程式の解に対する精度保証方式について検討し、具体的計算アルゴリズムの開発について研究を進めた。特に本年度は楕円型境界値問題に対する従来方式の拡張として以下の成果を得た。(1)非線形楕円型方程式の球対称解の分岐曲線の包み込み(2)Stokes方程式の有限要素解に対する構成的a posteriori/a priori誤差評価(3)2階楕円型作用素の固有値の精度保証の定式化とその実現(4)変分不等式の解に対する数値的検証法の定式化と数値例(5)高次多項式近似の最良誤差評価定数の算定 2. 大石は高速精度保証アルゴリズムの基本的な方法を確立し実際的なアルゴリズムを実現した。 3. 菊地は電磁場問題の有限要素解析に関する基礎的考察を行い、特にNedelec要素の適合性に関する理論的、数値的特性を明らかにした。 4. 酒井は主に常微分方程式の近似解のスプライン関数による表現法について研究を進めた。 5. 藤野は全根同時反復解法の加速法、および分散メモリ型並列計算機上での並列化の効率について研究を行なった。 6. 三井は常微分方程式の初期値問題の解に対する精度保証方式について検討した。 7. 山本哲朗はDirichlet問題に対する差分解の精度と、Smoothing Newton法を適用したとき得られる数値解の精度について調べた。 ・個別問題に対する精度保証に関する研究 1. 田端は流体方程式に対する有限要素法による数値計算の誤差精度に関する考察を行った。 2. 西田は流体方程式系の解空間の構造を解析するために、計算機援用証明法の研究開発を進めた。 3. 室田は構造工学の分野における数値シミュレーションの信頼性に関し、群論的分岐理論を用いた考察を行った。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Nakao,M.T.: "Numerical verification of solutions for nonlinerar elliptic problems using L^∞ residual method" Journal of Mathematical Analysis and Applications. 217. 246-262 (1998)
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[Publications] Nakao,M.T.: "On best constant in the optimal error stimates for the H^1_0-projection into piecewise polynomial spaces" Journal of Approximation Theory. 93. 491-500 (1998)
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[Publications] Nakao,M.T.: "Constructive L_2 error estimates for finite element solutions of the Stokes equations" Reliable Computing. 4. 115-124 (1998)
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[Publications] Nakao,M.T.: "A posteriori and constructive a priori error bounds for finite element solutions of Stokes equations" Journal of Computational and Applied Mathematics. 91. 137-158 (1998)
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[Publications] Ryoo,C-S: "Numerical verification of solutions for variational inequalities" Numerische Mathematik. 81. 305-320 (1998)
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[Publications] K.Murota: "Fenchel-type duality for matroid valuations" Mathematical Programming. 82. 357-375 (1998)
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[Publications] M.Tabata: "A precise computation of drag coefficients of a sphere" The International Journal of Computational Fluid Dynamics. 9. 303-311 (1998)
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[Publications] Pyi Aye: "Heat Convection of Compressible Fluid" Mathematical Sciences and Applications. 11. 107-115 (1998)
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[Publications] F.Kikuchi: "An improved 4-node quadrilateral plante bending element of the Reissner-Mindlin" Computational Mechanics. 22. 457-471 (1999)
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[Publications] 中尾充宏: "日本評論社" 精度保証付き数値計算, 160 (1998)