1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440048
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 亮太郎 岡山大学, 理学部, 教授 (50077913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 広男 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (20224941)
田中 直樹 岡山大学, 理学部, 助教授 (00207119)
長谷川 茂 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052832)
高橋 泰嗣 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30001853)
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Keywords | エルゴード定理 / 正作用素 / 最大関数 / 保測変換 / 作用素半群 / 概収束 |
Research Abstract |
ベクトル値関数空間上の作用素半群に対する個別エルゴード定理を考察する場合、エルゴード最大関数の評価をするのが難しい最大の理由は、正作用素の概念が存在しないためである。 しかし、作用素の有界性に有界関数を有界関数に移し、その一様ノルムを増加増加させないとする条件を付加することにより、エルゴード最大関数の評価が得られる場合がある。長谷川茂と佐藤亮太郎は、ヒルベルト空間に値をもつ関数空間上で、この評価を得て、局所エルゴード定理を証明した。証明の工夫した点は、ヒルベルト空間のベクトルを求める方向成分と、それと直交する成分に分解して、これにより、最大エルゴード定理を証明した点にある。なお、この方法は、一般のバナッハ空間に対しては適応されないように思われる。ベクトル値関数空間上のn次元作用素半群に対する個別エルゴード定理は、1次元半群の場合と違い最大エルゴード定理が証明されていない。正作用素半群の場合は、次元を下げていく方法が知られているが、ベクトル値関数空間の作用素半群に対しては、この方法は無理がある。新しい方法を見い出したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ryotaro Sato: "On a vector-valued local ergodic theorem"Studia Math.. 132. 285-298 (1999)
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[Publications] Ryotaro Sato: "Vector-valued ergodic theorems"Colloq.Math.. 79. 193-202 (1999)
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[Publications] Ryotaro Sato: "A general differentiation theorem"Colloq.Math.. (発表予定).
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[Publications] Naoki Tanaka: "Global solutions of abstract quasi-linear"Israel J.Math.. 110. 219-252 (1999)
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[Publications] Yasuji Takahashi et al.: "An extension of Hlawka's inequality"Math.Inequalities Appl.. 3. 63-67 (2000)