2000 Fiscal Year Annual Research Report
(γ,η),(γ,ρη)反応による原子核内での核子共鳴の研究
Project/Area Number |
10440067
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠木 治郎太 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10016181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 寛仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260413)
寺沢 辰生 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40004436)
|
Keywords | 核物質媒質効果 / 核内核子共鳴 / S_<11>共鳴 / (γ,η)反応 / η中間子生成 / 標識化光子 / 多重シンチレータ検出器 / 固体水素 |
Research Abstract |
東北大学原子核理学研究施設のSTBリングからの標識付GeVγ線発生装置が完成し、γ線ビームの性能向上に取り組んだ。その結果、光子エネルギー;0.6〜1.1GeV、エネルギー幅;6MeV、光子強度;10^7/sec、ターゲット位置でのビームサイズ;20mm直径、デューティファクター;80%以上の光子ビームが使用可能になった。電子対生成を利用した光子エネルギーの較正のため、ペアマグネットとドリフトチャンバーの整備を行い、標識化検出器のエネルギー較正曲線を得た。 多重CsI検出器システム(SCISSORS)の開発に取り組み、原子核理学研究施設第2実験室に、200本以上のCsI結晶シンチレータからなるSCISSORSを設置し、上記のγ線ビームを用いて、系の性能テストとエネルギー較正を行った。 0.6〜1.1GeVの標識化γ線を用いて、C,Al,Cuの原子核を標的にした(γ,η)反応の測定が実行された。これまで、我々が旧東大核研のESで測定したデータよりも遥かに統計精度のよいデータが取得され、現在、解析が進行中である。 素過程H(γ,η)反応を測定するために、固体水素標的の開発を行った。その結果、30x30x40(mm^3)の大きさの固体水素を作ることに成功し、実際にγ線ビームに照射して、(γ,η)反応の予備的な測定を行った。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] T.Yorita et al.: "Observation of S_<11> resonance in nuclear medium via the ^<12>C(γ,η) reaction"Phys.Lett.. B476. 226-232 (2000)
-
[Publications] H.Yamazaki et al.: "Study of S_<11> resonance in nuclei through (γ,η) reactions"Nuclear Physics. A670. 202c-205c (2000)
-
[Publications] J.Kasagi: "Nuclear physics experiments with 1,2-GeV STB ring at LNS-Tohoku"Proc.KEK-Tanashi Int.Symp.Hadron and Nuclear Physics (Elsevier S_<11>). 265-269 (2000)
-
[Publications] H.Yamazaki et al.: "S_<11>(1535) resonance in nuclei"Proc.KEK-Tanashi Int.Symp,Hadron and Nuclear Physics (ElsevierS_<11>). 61-66 (2000)