1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中畑 雅行 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (70192672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 真 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10272519)
竹内 康雄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60272522)
井上 邦雄 東北大学, 理学部, 助教授 (10242166)
福田 善之 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40272520)
鈴木 洋一郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70144425)
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Keywords | ニュートリノ / 太陽ニュートリノ / ニュートリノ振動 / スーパーカミオカンデ / ライナック |
Research Abstract |
本研究では、スーパーカミオカンデが取得した708日分のデータを解析し、電子ニュートリノの質量の存在についてニュートリノ振動を調べることによって研究した。電子ニュートリノが太陽で生まれてから地球に届くまでの間に振動したとすると(1)観測される強度が予想値に比べて小さい、(2)昼と夜とで強度が異なる、(3)ニュートリノのエネルギー分布が期待される形から歪む、といったことが期待される。本研究では、そのために低エネルギー領域のバックグランドの低減、実験装置のエネルギー較正の精密化をを行った。それにより観測する現象のエネルギーしきい値を以前の6.5メガ電子ボルトから5. 5メガ電子ボルトにまで下げることができた。また、電子発生装置(LINAC)を用いたエネルギー較正を行うことにより、10メガ電子ボルトでのエネルギー不確定性を0.7%にまで下げることができた。現在、それをさらに向上させるために水中で電子を曲げて取ったデータを解析中である。観測の結果、測定された強度は標準太陽モデルの47%であった。この結果は、ニュートリノ振動を示唆しているが、太陽モデルの不確定性を考えると確実な証拠とは言えない。しかし、昼夜の強度の違いやニュートリノスペクトルの歪みは太陽モデルにまったく依らないので、もしそれらが観測されれば確実な証拠と言える。昼と夜との強度の違いについては、実験装置が4%の違いまで感度があるにも関わらず、有意な違いはみられなかった。エネルギー分布については、予想される形との違いが6.1%の統計的有意性で観測されており、まだ確実な証拠を掴むまでの有意性はないが今後統計を増やすことによって有意な歪みが見えてくるかもしれない。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Nakahata et al.: "Calibration of Super-kamiokande using an electron LINAC" Nuclear Instruments and Methods. A421. 113-129 (1999)
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[Publications] Y.Takeuchi et al.: "Development of high sensitivity radon detectors" Nuclear Instruments and Methods. A421. 334-341 (1999)
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[Publications] Y.Fukuda et al.: "Constraints on neutrino oscillation parameters from the measurement of day night solar neutrino fluxes at super kamiokande" Phys.Rev.Lett.82. 1810-1814 (1999)
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[Publications] Y.Fukuda et al.: "Measurement of the solar neutrino energy spectrum using neutrino electron scatterings" Phys.Rev.Lett.3月22日号. (1999)