1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440079
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
安見 真次郎 高エネルギー加速器研究機構, 名誉教授 (50025227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 洋輔 東京家政大学, 短期大学部, 教授 (70266542)
前澤 秀樹 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (40150015)
真木 晶弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40044755)
小林 茂治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039273)
森 茂樹 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60100822)
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Keywords | 中性子寿命 / 冷中性子 / 中性子 |
Research Abstract |
11年度は先づ中性子寿命測定装置の中に、電子陽子同時測定用プラスチックカウンター(主カウンター系)及びアンタイ(ベト)カウンターを組み込み、種々の予備テストの後、日本原子力研究所東海研究所に運んだ。同研究所のJRR-3M原子炉のC2-3ビームポートに設置し、冷中性子ビームを用いて6月28日から7月30日までの約4週間実験を行った。実験に際してはCAMACを用いたデータ取得系によってすべてのデータをとった。今迄のデータ解析によって判ったことは次のようである;1.^3He(n,p)^3H反応による陽子ピーク 先づ光電子増倍管のゲインの調整を陽子ピークを用いて行った。次にベト・カウンター系をも併用して宇宙線事象の中、主カウンター系をほぼ鉛直に貫くものを選び出してエネルギー・スケールを決めた。これによって上記の陽子ピークのエネルギーは電子に換算して93keVとなった。これは既存の半実験的理論式と良く一致している。2.中性子ビームの強度 検出された陽子の数と^3Heガスの圧力とから、冷中性子ビームの強度を見積った所、大約予想値と一致した。之等の事柄から我々の提案している本測定方法が中性子寿命の精密測定に適している事が確信できた。しかし乍ら、今回の実験においてはBackgroundが未だ多い。このBackgroundは(n,γ)によるγ線や散乱中性子によるものと考えられるが、我々はGEANTによるシミュレーションでその場所をつきとめると共に、これに基きBackgroundの少い測定配置にするため、主カウンター系及びスリット系などを改造することとした。来年度は上述の改造した装置を用いて中性子寿命の精密測定を東海研究所で実施する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 稲垣洋輔: "中性子寿命の新しい精密測定法"日本物理学会講演概要集. 52・1. 36 (1997)
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[Publications] A. Maki: "Neutron Lifetime with Beam"Proc. International Workshop on JHF Science, hold at KEK, Tsukuba, March 3-7, 1998. III・III. 227-230 (1998)
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[Publications] 安見真次郎: "冷中性子ビームを用いた中性子寿命の新しい精密測定法"Nuclear Physics and Fundamental Physics with Neutrons IV (KEK Proceedings). 99-4. 9-54 (1999)