2000 Fiscal Year Annual Research Report
光第二高調波発生分光法による固体表面界面の電子状態の観察
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10440090
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水谷 五郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (30183958)
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Keywords | SH顕微像 / アナターゼ型酸化チタン / ルチル型酸化チタン / Ge / GeO_2界面 / Au / NaCl(100) / Ag回折格子 |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の通りである。 1)アナターゼ型の酸化チタンの(001)面のSH分光スペクトルを測定することに成功した。従来SHGの表面共鳴が3.6eVにある(101)面に比して、(001)面はSH応答が弱いことがわかっていたが、これは(001)面の主たるSH共鳴が4.5eVにあるためであることがわかった。 2)清浄および紫外線を照射したルチル型の酸化チタンのSH分光スペクトルを観測するための真空槽の改造が終了した。またSiO2が1ML堆積した酸化チタンのSH分光スペクトルとSH光強度パターンを測定し、SHGが表面から発生していることを実験的に直接証明した。 3)Ge/酸化膜界面について、熱酸化膜界面のみについてSH分光スペクトルで観測された界面状態の正体を探るため、この界面のTEM写真を観測した。その結果通例Geと酸化物界面はinter bilayer terminationであるところが、熱酸化膜のみについてintra bilayer terminationの界面が見つかった。この界面のGe-Oが1.15eVの共鳴エネルギーをもつ界面状態に相当するものと思われる。 4)NaCl(100)上にAuを0.4nm堆積させた膜についてSH光強度スペクトルを観測した。この膜は島状であるが、エピタキシャルにAu(100)が成長している膜である。この膜について3.2eVという、この物質としては非常に高いエネルギー位置にSH光の共鳴が見つかった。これはAu(100)面におけるX点の電子遷移に対応する共鳴であると推測した。 5)金属(Ag)回折格子のSH顕微像の測定に成功した。SH光発生効率の最大は回折格子の谷部で見られた。この結果は微細構造の存在する銀表面での光学過程の増強が山部でおこるという従来の描像に反しており、その原因を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] G.Mizutani,Y.Sonoda,H.Sono,M.Sokawato,T.Takabashi,S.Ushioda: "Detection of starch granules in a living plant by optical second harmonic microscopy"Journal of Luminescence. 87-89巻. 824-826 (2000)
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[Publications] S.Nakamura,K.Matsuda,T.Wakaruga,E,Kobayashi,G.Mizutami,S.Ushioda,T.Sekiya,S.Kurita: "Optical second harmonic generation from the anatase TiO_2(101) face"Journal of Luminescence. 87-89巻. 862-864 (2000)
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[Publications] H.Orashi,H.Tanaka,H.Sano,J.Taira.G.Miztutami.,S.Ushioda: "Study of the Ge(111)/GeO_2 interface by optical second harmonic spectrascopy"Surface Science. 454-456巻. 1069-1075 (2000)
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[Publications] G.Mizutani,N.Ishibashi,S.Nakamura,T.Sekiya,S.Kurita: "Optical second harmonic spectroscopy of the anatase TiO_2(101) face"International Journal of Modern Physics B. (in press).