1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 英典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 実 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70272531)
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Keywords | 強相関一次元金属 / 朝永-ラッティンジャー / 磁場誘起次元変化 / YBa_2 Cu_4 O_8 |
Research Abstract |
1次元量子スピン液体にキャリアドープすると何が起こるのか?朝永ラッティンジャー液体と呼ばれるエキゾチック金属相は実現できないだろうか?不安定な状態に外的な刺激を加えることで、劇的な電子系の変化を起こすことはできないだろうか?本研究課題は、金属的な1次元鎖を有する数少ない酸化物であるYBa_2Cu_4O_8を舞台に選び、上記の問いに挑むことを意図してしている。これまで研究において、われわれは磁場によって電子が1次元鎖内に閉じ込められ、鎖間を自由に動けなくなる現象 -磁場誘起次元変化-を発見し、その簡単な機構モデルを提唱した。昨年度に引き続いて、不純物効果を利用したモデルの実験的検証を行い、半定量的なレベルで、モデルの妥当性を検証することに成功し、報文としてまとめた。次のステップは鎖内に電子が閉じ込められた状態での、ラッティンジャー液体性の検討であるが、最大の実験的障害は銅酸素二次元面の超伝導の存在であった。これを避けるために、銅酸素二次元面が超伝導を示さないYをPrに置き換えたPrBa_2Cu_4O_8に舞台を移した。まずはPrBa_2Cu_4O_8の異方的電気抵抗、弱磁場での磁気抵抗の測定を行い、目的とする金属的1次元鎖が実現しているのか?鎖間の結合はどうなっているのかを調べた。その結果、鎖方向にYの場合に匹敵する高い伝導度を有する金属状態が実現していること、有限の鎖間の結合が存在し、低温では3次元フェルミ液体状態が実現していることなどが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Waku,M.Nohara,H.Takagi et al.: "The effect of Zn doping on the magnetic field induced dimensional crossover in Yba_2Cu_4O_8"Journal of the Physical Society of Japan 69. 21. (2000)
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[Publications] N.Horii,,H.Takagi.et al.: "Growth and anisotropic resistivity of Pr124 and Pr247 crystals a direct probe of the metallic CuO double chains"Physical Review B. (2000)
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[Publications] N.E.Hussey,H.Takagi.et al.: "Charge confinement on the CuO_2 planes in optimally doped Yba_2Cu_3O_7"Physical Review B. (2000)
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[Publications] N.E.Hussey,H.Takagi.et al.: "Melting of the vortex lattice in Yba_2Cu_4O_8 in parallel fields"Physical Review. B59. R11668 (1999)
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[Publications] B.Lake,M.Nohara,H.Takagi et al.: "Spin qap and magnetic coherence in a clean high-temperature superconductorand S.M.Haydon"Nature 400. 43-46 (1999)
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[Publications] H.Fujisawa,H.Takagi,et al.: "Angle-resolved photoemission study of Sr2Cu03"Physical Review. B59. 7358-7361 (1999)