1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440120
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
松澤 通生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10010943)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 健一 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (90228742)
渡辺 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60210902)
|
Keywords | 反陽子 / プロトニウム / イオン化 / 指数関数的閾則 / 粒子間相関 / 半周期パルス / 準安定状態 |
Research Abstract |
1999年にCERNに置いて反陽子減速器の建設が終了し、低速の反陽子ビームによる反物質科学の実験的研究が行われる予定である。反陽子を含む最も基礎的な原子過程として、反陽子と水素原子の衝突による水素原子のイオン化及び陽子の捕獲によるプロトニウムの生成がある。10eV以下での衝突断面積の評価を摂動を受けた定常状態の方法を採用し、行った。ここでいわゆる電子の移動する効果を正しく取り入れるためにElectron Travelling Factor(略称:ETF)を取り入れた。これにより信頼性の十分高い結果が得られた。又他の方法による結果とも矛盾しない。 一方三体問題の基礎的過程として水素原子による電子衝突によるイオン化がある。特にイオン化の閾値をわずかに越えたエネルギー領域では、いわゆるWannierによる閾則が知られている。この領域では2個の電子と1個の陽子からなる3体系の粒子間相関が重要である。特に、電子と原子が単極子による相互作用を行うとするモデルについて信頼度の高い量子力学的計算を行った。これにより上記閾則は修正され指数関数的な閾則を示す事が判った。また、陽子の電荷Zを仮想的に1/4とすると、断面積の入射エネルギー依存性にdipが出来る事が確認された。又この生成の機構が明らかにされた。 最近非常に短い半周期パルスが実験的に生成が可能となり、これを印加する事により原子はイオン化される。特に原子が高リュードベリ状態に存在するときは、準安定な状態が存在する事が実験的に知られている。ここでは高リュードベリ状態ではエネルギーレベルの間隔が殆ど等間隔であることを考慮し調和振動子をモデルとして設定し、その機構を明らかにした。
|