2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440146
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
間嶋 隆一 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (30202310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 秀樹 静岡大学, 理学部, 教授 (20126791)
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Keywords | 陸棚 / 化学合成群集 / オウナガイ類 / ツキガイモドキ類 / 横浜市 / 稚内市 / 上総層群 / 宮崎層群 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引続き,主に更新統小柴層の化学合成化石群集のボーリング試料4コアの解析,北海道稚内市沖の完新世化学合成群集の解析,および宮崎県の宮崎層群中の鮮新世の化学合成群集の解析を行った.これらの群集はいずれも陸棚相から産出する. 1)横浜市の更新統小柴層のコアの調査結果と周囲の露頭の対比を試みた.その結果,粒度に基づく岩相区分はほぼ対比できるものの,鍵層となる凝灰岩層は,全く対比できないことが判明した.この理由として,1)化学合成群集生息域の著しく活発な内生生物活動により凝灰岩層が乱され散逸してしまったことと,2)爆発的なメタンの噴出により,コア中の一部の岩相が礫化していることが考えられる. 2)漁船を借り上げ,北海道稚内沖の化学合成群集採集地点での魚群探知機を使用した海底地形調査を行った.この結果,一部に凹凸の地形を見出したが,魚群探知機の性能の制限からこれらの地形とメタン湧水の関係を解明するには至らなかった. 3)宮崎県の鮮新統高鍋層から発見した陸棚域に生息する化学合成群集の産状を調査し,少なくとも厚さ10mで,走向方向に100mの規模で分布していることを確認した.この群集は日本最大の化石化学合成群種である.
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