2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440149
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 幸雄 茨城大学, 理学部, 教授 (90114008)
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Keywords | 火星隕石 / シャーゴッタイト / マグマ包有物 / ALH77005隕石 / Y-793605隕石 / DaG735隕石 |
Research Abstract |
火星隕石は、最近、サハラ砂漠、オマーン砂漠、南極大陸等で新発見が相次ぎ、これらの新しい火星隕石が注目されている。現在、世界中で24個の火星隕石が存在しており、これらは、その全てが火成岩で、4つのタイプ(シャーゴッタイト・タイプ、ナックラ・タイプ、シャシニー・タイプ、及び輝石岩タイプ)に分類されている。このうち、シャーゴッタイト・タイプは、さらに、2つのサブタイプ(玄武岩質と沈積岩的レルゾライト質)に区分されている。幸いなことに、この沈積岩的レルゾライト質隕石中のオリビン又は輝石に、マグマ包有物が含まれていたので、これらの包有物を用いて、その沈積岩的レルゾライト質隕石のマグマの化学組成を求め、その結晶作用を議論することが出来た。去年度までの研究では、沈積岩的レルゾライト質隕石を用いて、そのオリビン中に存在するマグマ包有物を詳細に調べ、ファッサアイトやケルスータイトが存在する事を発見し、かつ、そのマグマ包有物中の構成鉱物やガラスなどの化学組成から、鉱物の安定領域や熱力学的考察を通じて、マグマ包有物の形成過程と生成条件を類推した。本年度では、去年度に引き続いて、火星隕石中のマグマ包有物の研究を進めた。具体的には、サハラ砂漠で発見された新しい火星隕石であるDaG735隕石の研究を行った。この隕石は、玄武岩質シャーゴッタイト・タイプに属し、オリビンの斑晶を含んでいて、かつ、玄武岩質サブタイプと沈積岩的レルゾライ質サブタイプの中間的性格を持っている。また、DaG735隕石のオリビン斑晶の中には、マグマ包有物が存在しており、その構成鉱物やガラス等の化学組成をもとめ、沈積岩的レルゾライト質隕石中のマグマ包有物と比較検討した。このDaG735隕石の詳細な研究を通じて、両サブタイプは共通の親マグマを持ち、互いに結晶分化作用によって形成されたことが推定出来た。現在、その論文を作成中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ikeda, Y.: "Magmatic inclusions and felsic clasts in the Dar al Gani 319 polgmict ureilite"Meteoritics and Planetary Science. Vol.36. 481-499 (2001)
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[Publications] Ikeda, Y.: "Lithic and mineral clasts in the Daral Gani (DAG)319 polgmict ureilite"Antarctic Meteorite Research. No.13. 177-221 (2000)
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[Publications] Ikeda, Y.: "Petrology of the Asuka-881931 ureilite with special reference to crystallization of interstitial silicate melt"Meteoritics and Planetary Science. Vol.34. 625-636 (1999)
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[Publications] Ikeda, Y.: "Magmatic Silicate Inclusions in The ALH-77005 Martian Lherzolitic Shergottite"Meteoritics and Planetary Science. Vol.33. 803-812 (1998)
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[Publications] Kimura, M.: "Hydrous and Anhydrous Alteration of Chendrales in Kaba and Mokola CV Chondrites"Meteoritics and Planetary Science. Vol.33. 1139-1146 (1998)
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[Publications] Ikeda, Y.: "Petrology and Mineralogy of the Yamato-793605 Martian Meteorite"Antarctic Meteorite Research. Vol.10. 13-40 (1997)