1998 Fiscal Year Annual Research Report
断層帯の内部構造,透水性およびレオロジー的性質に関する総合的研究
Project/Area Number |
10440150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋本 利彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20112170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 愛明 神戸大学, 理学部, 助手 (90283861)
清水 以知子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40211966)
下林 典正 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70235688)
小畑 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20126486)
北村 雅夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
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Keywords | 断層 / 断層岩 / 流体循環 / 断層の構成則 / 断層の内部構造 / 変形実験 / 摩擦溶融 |
Research Abstract |
断層に関しては膨大な地質学的記載がある反面,記載は統一した視点と目的意識が乏しかったために断層の実体が浮き彫りになってきていない。一方,断層は,地震の発生機構,流体循環と物質移動,石油の断層ルール問題などと関連して分野ごとに詳しく研究されてきた。本研究では,断層帯の内部構造の解析と変形。透水実験を平行させておこない,断層を統合的に研究するひとつのプロトタイプを作ることを試みたい。 研究代表者が,本研究期間の開始と同時に京都大学に転任したことにともなって,本科研費補助金は,実験室の基盤整備に使用した。精密成形研削盤の購入によって,実験用岩石試料を自作することが可能になった。また,透過型電子顕微鏡の運搬・調整によって変形微細組織を観察する体制が整った。研究においては,複鉱物からなる断層の力学モデルの確立,再結晶粒径と応力の関係などの成果をまとめた。また,含水栄条件における3m/sの高速摩擦実験に初めて成功し,無水条件下と同様に摩擦溶融にともなって断層の強度が大きく低下することが判明した(地震の発生機構の解析で重要)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 嶋本利彦: "地震予知研究における構造地質学の役割" 地質学論集(日本地質学会). 50. 205-212 (1998)
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[Publications] Lin,A.& Shimamoto,T.: "Selective melting processes as inferred from experimentally generated pseudotachylytes" Jour.Asian Earth Sci.16. 533-545 (1998)
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[Publications] Kawamoto,E.& Shimamoto,T.: "The strength profile for bimineralic shear zones : an insight from high-temperature shearing experiments on colats-halite mixtures" Tectonophysics. 295. 1-14 (1998)
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[Publications] Shimizu,I.: "Stress and temperature dependence of recrystallized grain size:A subgrain misorientation model" Geophys.Res.Letters. 25. 4237-4240 (1998)
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[Publications] 清水以知子: "岩石における動的再結晶" 地質学論集(日本地質学会). 50. 1-12 (1998)
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[Publications] Shimizu,I.: "A stochastic model of grain size distribution during dynamic reorystallization" Phil.Mag.A,. (印刷中). (1998)