1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440157
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 丈二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00202854)
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Keywords | 岩石変形 / 岩石破壊 / 脱ガス / マイクロクラック / 気体透過膜 |
Research Abstract |
本研究では,岩石中の微小な亀裂を満たす気体や液体の微視的な挙動を理解するために室内での岩石変形・破壊実験システムを新たに製作した。 平成11年度には,液体の水を通さずに溶存気体のみを透過するシリコーン中空糸膜を使うことにより,水に飽和した環境下でのガス組成の連続モニタリングが可能になった。しかしながら,シリコーン中空糸膜のガス透過特性はこれまで詳しく調べられておらず,本研究でその基本特性を調べるための次の2つの実験を新たに行なった。 1.ガス抽出効率の実測 恒温水櫓,真空ポンプ,真空計等を組み合わせて,ガス抽出効率を実測する簡単な装置を製作し,次の2点を明らかにした。 (1)液相-気相間のガス抽出効率は,気相-気相間のそれより2桁近く小さい。 (2)ガス抽出効率は温度に強く依存し,温度に対してほぼ直線的に増加する。 2.抽出ガスの組成分析 四重極質量分析計を用いて,シリコーン中空糸膜を透過したガスの組成分析を行ない,次の2点を明らかにした。 (1)窒素に対する他のガス(酸素,ヘリウム,アルゴン,二酸化炭素等)の相対的な抽出効率は,液相-気相間,気相-気相間とで変わりはない。 (2)窒素に対する他のガスの相対的な抽出効率の温度依存性は,二酸化炭素を除いて小さい。今後はこれらの基本特性を考慮して分析を続け,岩石からのガス放出メカニズムの解明を試みる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 五十嵐丈二: "地震に関連した地下水中ラドン濃度・地下水位の潮汐応答変化"地球潮汐シンポジウム集録. (印刷中). (2000)
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[Publications] Chi-Yu King and George Igarashi: "Earthquake-related hydrologic and geochemical changes"Handbook of Earthquake and Engineering Seimology. (印刷中).