2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 准一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80107945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 拓也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294145)
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Keywords | アレンデ / 隕石 / 希ガス / 同位体 / Q / HL / プレソーラーダイヤモンド |
Research Abstract |
アレンデ隕石を水中に入れ凍らせるというサイクルを数100回繰り返した時に水面に浮かぶ黒い物質は炭素物質であり、希ガスの元素存在度、同位体組成から見て、隕石を塩酸/フッ酸で処理した時の残渣物質と非常に良く似た性質を持つ。この浮いた黒い物質試料について、アイソプロパノール中で物質を分散させ、pHの違いによりコロイドになるかどうかの性質を用いてプレソーラーダイヤモンドを分離の後、NaPTを重液として用いた詳細な比重分離を行い、合計10個の試料を用意していた。本年度はこれらの試料についての希ガス測定を全て完了した。 試料は数マイクログラムから数10マイクログラムの質量で、直径3mmの白金の特製超小型るつぼに入れて質量分析計ラインに導入した。各フラクションに含まれる希ガスの元素存在度、同位体比を測定したところ、もっとも希ガスが濃縮しているフラクションは2番目に低い密度1.65g/cm3のものであり、そのフラクションから密度が高くなるにつれて、捕獲されている希ガスの元素存在量は減少する傾向があることがわかった。しかし、元素組成比、同位体組成に関しては、QとHL相の担体であるプレーソーラーダイヤモンドが分離したという様子は見られなかった。恐らく、Qはダイヤモンド表面に存在しており、これらの物理分離の手法に対してその挙動は同じであると考えられる。また、コロイド分離によりプレソーラーダイヤモンドは分離されるはずであったが、それも見られなかった。プレソーラーダイヤモンド表面にQが存在する時には、プレソーラーダイヤモンドがコロイドになるかどうかの性質も変わるのでないかと推測される。
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