1998 Fiscal Year Annual Research Report
非線形分光法による蛋白質の高次構造変化とコヒーレントダイナミクスの研究
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10440173
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
寺嶋 正秀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00188674)
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| Keywords | 過渡回折格子法 / タンパク質 / 構造変化 / 非線形分光法 |
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| Research Abstract |
生体分子の構造と機能については、非常に多くの研究者が注目している分野であるが、その中でもアミノ酸の3次元構造まで含めた時間変化は、世界中の科学者が切望していながらまだほとんど分かっていない。ここでは補助金により購入したパルスレーザーを用い、非線形分光法を応用することで、フェムト秒の超高速構造変化からミリ秒のゆっくりとした変化まで、幅広い時間スケールで高次の構造変化を追跡する手法を開発し、実際の生体系に応用し、物理化学の視点からその構造変化と機能との関連について明らかにした。
1、 非線形分光法のうち過渡回折格子(TG)法、あるいは我々の開発した過渡レンズ(TL)法を用いて、生体系へ適用できる、熱エネルギーおよび構造変化検出システムを構築した。
2、 ミオグロビンの光励起に伴うリガンド解離反応と、それに伴う高次構造変化を、ナノ秒から秒オーダーという広い時間範囲で検出した。その信号を解析した結果、500ナノ秒の時間でおこる構造変化を検出していることを明らかにした。また、それぞれの中間状態のエネルギー準位を決定することに成功した。
3、 更に時間分解円二色性(CD)検出装置を構築し、いくつかの反応で時間分解信号を検出することに成功している。今後、生体分子系への応用を試みる予定である。
初年度の成果という点では、ほぼ計画通りの進展状況である。今後、さらに詳細な蛋白質構造変化を検出すべく装置系の改良を予定している。
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[Publications] K.Okamoto: "Diffusion of electrically neutral radicals and anion radicals created by photochemica reactions." J.Chem.Soc.Farad.Trans.94. 185-194 (1998)
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[Publications] S.Yamaguchi: "Heat of reaction and reaction volume for the formation of ethers from diazo compounds in methanol." Chem.Phys.Lett.286. 284-290 (1998)
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[Publications] M.Terazima: "Reaction enthalpy and reaction volume changes upon photoenolization; 2-methylbenzophenone" J.Phys.Chem.A. 102. 545-551 (1998)
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[Publications] K.Okamoto: "Diffusion of photochemical intermediate radicals in water/ethanol mixed solvents." J.Phys.Chem.A. 102. 3447-3454 (1998)
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[Publications] M.Terazima: "Translational diffusion of chemically active species; carbenes and carbonyloxides." Chem.Phys.Lett.289. 253-260 (1998)
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[Publications] M.Terazima: "Thermalization after photoexcitation ot the S2 state of trans-azobenzene in solution." J.Chem.Phys.109. 603-609 (1998)
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[Publications] M.Terazima: "Adv.Photochem." Photothermal studies of photophysical and photochemical processes by the transient grating method, 83 (1998)
