1999 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解赤外分光法による組織化液体の構造ダイナミックスの研究
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10440176
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 博厚 広島大学, 理学部, 教授 (10029952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弘 広島大学, 理学部, 助手 (60222395)
大野 啓一 広島大学, 理学部, 助教授 (50033858)
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Keywords | 組織化液体 / 構造ダイナミックス / 時間分析赤外分光法 / コンホメーション / 非イオン界面活性剤 |
Research Abstract |
平成11年度は,時間分解赤外分光法の開発とポリオキシエチレン系化合物のコンホメーション解析を行った。時間分解ATR赤外分光で用いるストップトフローミキサーを導入し,効果的に機能するように種々の調整を行った。すなわち,高精度の時間分解測定ができるように送液機構を調整するとともに,デッドボリュームが最小限になるように構造を改良した。また,損失が少なく最大限の光が利用できるように光学系を設計をした。 いくつかのポリオキシエチレン系化合物について,赤外分光法およびラマン法により,組織化液体の構造を研究した。ポリオキシエチレン系環状化合物である18-クラウン-6と15-クラウン-5の水溶液について赤外スペクトルを詳細に測定し,水和構造を明らかにした。水和により影響を受ける水分子の数は,これらの化合物についてそれぞれ18〜20および12〜15であるが,第1水和殻に含まれる水分子数はいずれの場合も4〜5である。18-クラウン-6分子の周りの水和構造は,2個の架橋水分子と2個の単一結合水分子からなることが分かった。 非イオン界面活性剤のモデル化合物である短鎖ポリオキシエチレン化合物CH_3(0CH_2CH_2)_m0CH_3(C_1E_mC_1)の水溶液において観測されていた変則的コンホメーション挙動,すなわちC-C結合のゴーシュコンホメーションのポピュレーションがある濃度において極大となる現象について,その温度依存性を研究した。C_1E_3C_1について詳細に調べた結果,温度の上昇に伴い,極大が不明確になるとともに,極大を示す濃度が低濃度側にシフトすることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Zhorro S.Nickolov: "FTIR-ATR Studies of the Hydration of 15-Crown-5 and 18-Crown-6 in Aqueous Solutions"Journal of Physical Chemistry A. 103(37). 7544-7551 (1999)
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[Publications] Keiichi Ohno: "Conformational Analysis of Alkylamino Chains Using Isolated C-D Stretching Vibrations"Spectrochimica Acta,Part A. 55(11). 2231-2246 (1999)
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[Publications] Yoshiyuki Mido: "Vibrational Spectra and Normal Coordinate Analysis of N-Methylthiourea and Three Deuterated Analogues"Spectrochimica Acta,Part A. 55(13). 2623-2633 (1999)
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[Publications] Keiichi Ohno: "Reaction of Aqueous 2-(N-Methylamino)ethanol Solutions with Carbon Dioxide"Journal of Physical Chemistry A. 103(21). 4283-4292 (1999)