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1998 Fiscal Year Annual Research Report

安定なシラベンゼン類の創製とその構造・反応性

Research Project

Project/Area Number 10440184
Research InstitutionJapan Women's University

Principal Investigator

岡崎 廉治  日本女子大学, 理学部, 教授 (70011567)

Keywordsシラベンゼン / 速度論的安定化 / 立体保護 / ^<29>Si-NMR / 芳香族性
Research Abstract

ケイ素は周期律表において炭素の直下に存在する14族元素であることから、有機化学の中心的元素である炭素をケイ素に置き換えた化合物は非常に興味深い研究対象である。これまでにもオレフィンに対応するシレン、ジシレン、カルベンに対応するシレン、カルボカチオンに対応するシリレニウムイオン等において興味深い研究が報告されている。しかしながら、有機化学における最も基本的な化合物の一つであるベンゼンのケイ素類縁体シラベンゼンについては極低温マトリックス中での分光学的検出は行われていたものの、安定に合成された例はなかった。本研究では、以前の我々の研究で実現された2-シラナフタレンの合成の経験をふまえ、ケイ素上にのみ置換基をもつシラベンゼンの合成を行った。シラベンゼンを速度論的に安定化するための立体保護基として2,4,6-トリス[ビス(トリメチルシリル)メチル]フェニル基(Tbt基)を用いた。ペンタ-1,4-ジインとジブチルスズの反応でスタナシクロヘキサ-1,4-ジエンを合成し、それをn-ブチルリチウムとの反応でジリチオ体を得た。これとTbtSiH^3との反応でシラヘキサ-1,4-ジエンを得、そのケイ素上にN-ブロモコハク酸イミドで臭素を導入した。最後にこれをt-ブチルリチウムで脱臭化水素をして、初めての安定なシラベンゼンの合成に成功した。このシラベンゼンは^<29>Si-NMRで92.5ppmに吸収を持ち、^1H-NMRの対称性から非局在化した芳香族性を持つ化学種であることが示された。メタノールおよびベンゾフェノンとの反応も検討し、1,2-付加以外にl,4-付加反応性も示すことが明らかとなった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] K.Wakita: "An Unexpected Elimination of Cyclopentadienide Anion in the Reaction of Silacyclohexadienes with a Bulky Aryllithium" Chemistry Letters. 687-688 (1998)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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